児童虐待とは・・・
児童虐待(じどうぎゃくたい、child abuse)とは、保護者が子どもに対して暴力などの有害行為を行うことや、子どもが当然受けるべき必要な養護を行わないことを指す。児童虐待には身体的虐待、性的虐待、ネグレクト、心理的虐待の4つがある。
身体的虐待
身体的虐待とは、「児童虐待防止法(厚生労働省)」では、「児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴力を加えること」と定義されている1)。
具体的には、殴る、蹴る、激しく揺さぶる、やけどを負わせる、溺れさせる、首を絞めるなど。縄などで拘束するなど、身体の自由を奪うことも身体的虐待に含まれる。
また、子どもにわざとけがや病気を負わせ、病院では献身的な親を演じる代理ミュンヒハウゼン症候群も、身体的虐待に該当する。
性的虐待
性的虐待とは、「児童虐待防止法(厚生労働省)」では、「児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること」と定義されている1)。
子どもへのわいせつな行為には、性的行為を見せる、性器を触るまたは触らせるなどの身体的な行為だけでなく、ポルノグラフィの被写体にすることなども含まれる。
ネグレクト
ネグレクトとは、子どもにとって必要な養育を親が放棄することである。
具体的には、食事や清潔の世話をしないなど、子どもの心身の正常な発達を妨げる行為や長時間の放置、家に閉じ込めること、重い病気になっても病院に連れて行かないことなどがネグレクトに該当する。
心理的虐待
心理的虐待とは、子どもに対する暴言や脅し、著しく拒絶的な対応など、子どもに心理的外傷を与える言動を行うことである。
「殺してやる」など言葉で脅すことや、「産まなければよかった」など、子どもの存在を否定すること、無視、きょうだい間での差別的扱い、家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス;DV)も心理的虐待に含まれる。
「平成29年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数(厚生労働省)(PDF)」によると、日本では心理的虐待(54.0%)が最も多く、身体的虐待(24.8%)、ネグレクト(20.0%)、性的虐待(1.2%)と続く2)。
児童虐待は医療、保健、福祉、教育や司法それぞれの機関によって、捉え方や対処法が異なるため、児童虐待には多職種、多機関と連携してネットワークを構築し、対応することが求められる。
引用参考文献
1)“児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)”.厚生労働省.
2)“平成29年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数”.厚生労働省.