MRI検査とは・・・
MRI検査(えむあーるあいけんさ)とは、核磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging)検査の略で、核磁気共鳴現象を用いた画像検査の一手法である。
人間の体内にある水や脂肪の水素原子核(プロトン)は、通常は3次元のランダムな方向へ配列して回転している。被験者を強力な静磁場(MRI装置を強力な磁石とし、これによる強い磁場)の中へ入れると、プロトンは静磁場の方向へ整列する。ここで、特定周波数の電磁波を照射すると、プロトンは向きを変える共鳴現象を起こす。この電磁波を止めると、プロトンは元の静磁場の方向へ戻る緩和現象をおこす。それぞれの組織によってプロトンが戻る速度が異なるため、この違いを画像化したものがMRI検査である。
MRI画像には多くの因子が関係するが、この緩和現象の方向をそれぞれに強調したものをT1強調画像、T2強調画像という。信号強度が大きいほど白く表示され、高信号、低信号と表現する。基本的に、T1強調画像では水は黒く、T2強調画像では水は白く表現される。その他にも、T2*強調画像、FLAIR、拡散強調画像(DWI)、MRAなどの撮影方法もあり、それぞれに検出能に優れた組織や病変がある。CT検査と同様、造影剤を使用する検査もあり、造影剤にはガドリニウムを用いる。
MRI非対応の金属(ペースメーカーや人工関節)を挿入している場合、MRI検査は禁忌であり、また、体内異物や入れ墨がある場合も検査を行えないことがある。
MRI検査室内では、磁気性金属(ハサミ、点滴棒、酸素ボンベ)などが装置に引き寄せられてしまうため極めて危険であり、時計や磁気カードも故障の原因となるため、入室には気を付ける必要がある。