WT1とは・・・
WT1とは、小児の腎腫瘍であるウィルムス腫瘍(Wilms’ tumor)の原因遺伝子の一つとして発見された遺伝子である。
現在では急性骨髄性白血病や固形がんなど多くのがんで高発現しているということがわかり、WT1から産生されるmRNA(WT1mRNA)やペプチドが腫瘍マーカーやがんの免疫療法の標的として期待されている。
例えば、白血病の場合、化学療法などにより完全寛解と呼ばれる状態になっても、微小残存白血病細胞と呼ばれる白血病細胞が体内に残存してしまうが、WT1mRNA定量検査を行うことで、この微小残存白血病細胞の量をリアルタイムにモニタリングすることができ、治療選択の一助となる。このように、末梢血または骨髄中のWT1mRNAの発現量は、急性骨髄性白血病や骨髄異形成症候群における診断補助、治療の有効性評価、再発の早期発見のモニタリングなどに活用されている。