最終更新日 2018/05/15

プリズム眼鏡

プリズム眼鏡とは・・・

プリズム眼鏡(ぷりずむめがね)は、光を分散する機能を持つプリズムを使った眼鏡であり、斜視や斜位の患者に使用される。

 

プリズムは光を分散・屈折させる機能を持つ物質であり、その厚さに比例してより大きく光が分散・屈折する。この機能を応用したプリズム眼鏡を使用することで、斜視および斜位の症状を緩和することができる。

 

斜視はそもそも一つの物に両眼の視点を合わせることができず、物が2重に見える状態である。斜位は意識的に一つの物に両眼の視点を合わせることができるが、その状態が眼精疲労を引き起こす可能性がある。そのため、プリズム眼鏡を使用して光の屈折を調節することで、視線のズレを軽減することができる。

 

図1プリズム眼鏡の原理

プリズム眼鏡の原理

 

プリズム眼鏡は、通常の眼鏡の裏側に膜型のプリズムを貼り付ける「膜プリズム」と、眼鏡のレンズそのものにプリズムが組み込まれている「組み込みプリズム」がある。組み込みプリズムは制作可能な斜視の程度の範囲が狭い。膜プリズムでは斜視の程度が大きくても対応可能であり、症状の変化によって対応可能である。どちらにするべきかは患者の目の状態に応じて決定する。プリズム眼鏡自体は斜視や斜位を治療するものではないことを認識しておく必要がある。

執筆: 水 大介

神戸市立医療センター中央市民病院  救命救急センター医長

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