最終更新日 2018/02/21

スタビライザー

スタビライザーとは・・・

スタビライザー(すたびらいざー、stabilizer)とは、心拍動下冠動脈バイパス手術において血管吻合などを行うために、心臓の表面を固定する器具である。

 

冠動脈バイバス手術には、心停止下で行うものと心拍動下で行うものとがあるが、スタビライザーは後者で使用される。スタビライザーを使うことで、人工心肺を使用しないオフポンプバイパス手術や、人工心肺を使用しても心停止をしない状態でのバイパス手術が可能となる。そのため、身体への侵襲が少なく、早期離床、早期退院が可能とされる。

 

心臓が拍動している中で手術を行うためには、心臓の表面だけを抑えて固定する必要がある。スタビライザーは、自由に動くアーム部分と先端部分より成っており、先端部分で吻合部付近の心臓表面を軽く押さえつけて心表面の動きを制限するものや、陰圧がかけられるタイプのものなどがある。後者では、先端部分に陰圧をかけて心臓の表面に吸着させ、その後アームを固定することにより、先端部分に抑えられた部分を動かなくすることで血管吻合などの手術主技が可能となる。

執筆: 松岡由典

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野

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