血液型とは・・・
血液型(けつえきがた)とは、赤血球膜の表面に存在する抗原により分類される血液の型をさす。臨床上特に重要なのはABO血液型とRh血液型である。
ABO血液型では、赤血球膜表面にA抗原、B抗原、AB抗原を持つものはそれぞれA型、B型、AB型で、抗原を持たないものはO型となる。生後数カ月経つと、A型の人の血清にはB抗原に対する抗体=抗B抗体が、B型の人の血清にはA抗原に対する抗体=抗A抗体が、O型の場合は抗A、抗B両方の抗体が存在するようになる。AB型の人の血清には抗A、抗B抗体は存在しない。そのため、ABO血液型は、赤血球膜上のAおよびB抗原の存在を確認するオモテ検査と、血清中の抗Aおよび抗B抗体の有無を確認するウラ検査で判定を行う。
表1オモテ検査とウラ検査
+:凝集あり -:凝集なし
Rh血液型は、アカゲザル(Rhesus monkey)と共通の48種類の異なった赤血球表面抗原がヒト赤血球膜上にも存在することからその名(Rh)がつけられた。もっとも強い抗原性のD抗原を持つ場合をRh陽性、持たない場合をRh陰性と呼び、Rh陰性の患者の血清中には抗D抗体が存在する。
そのほか、MNS血液型、P関連血液型、Lewis血液型、Kell血液型、Duffy血液型、Kidd血液型、Diego血液型、I血液型などが発見されている。
例えばO型の患者にA型の赤血球を輸血してしまうと、A型赤血球膜上のA抗原とO型患者血清中の抗A抗体が反応して溶血を起こしてしまう。またRh陰性の患者にRh陽性の赤血球を輸血すると、D抗原と抗D抗体が反応して溶血反応を起こす。そのため輸血を行う際にはABO血液型とRh血液型が一致した血液を輸血する必要がある。その他の血液型に対する不規則抗体が産生されている場合も、溶血を避けるためその抗体に対する抗原が陰性の血液を輸血する必要がある。