胸膜癒着術とは・・・
胸膜癒着術(きょうまくゆちゃくじゅつ、pleurodesis)とは、胸水が溜まる空間(胸腔)を閉じることで、胸水が溜まらないようにする処置のことである。気胸やがん性胸膜炎によって胸水が反復して生じる場合に考慮する処置の一つとされる。
施術方法
胸腔ドレーン(チューブ)を挿入し、胸水をすべて排出する。その後、薬剤※を注入し、肺胸膜と壁側胸膜に人工的に炎症を起こして癒着させる。
※主に使用される薬剤:鉱物製剤(タルク)、免疫賦活剤(ピシバニール®)、抗生物質(ミノマイシン®)など
注意事項
・一度癒着させると、はがすことはできない。
・癒着前の胸水排出が完全にできていない、薬剤が全体に広がらない、などの理由により、癒着が一度でうまくいかないことがあり、同様の治療を数回行う場合がある。
引用参考文献
1)山田幸宏監.“気胸の手術や胸膜癒着術ってどのように行うの?”.気胸に関するQ&A.看護roo!.
2)東邦大学医療センター大橋病院.胸腔鏡でのITナイフを使用した胸膜全層生検.
3)坂口浩三監.医療情報科学研究所編.胸膜炎.病気がみえる vol.4 呼吸器.メディックメディア.2015,288.(ISBN 9784896324617)