ボディメカニクスとは・・・
ボディメカニクス(ぼでぃめかにくす、body mechanics)とは、神経系や骨格系、筋系などの力学的相互関係を取り入れた技術のことである。
医療や介護分野においてはボディメカニクスを取り入れることで無駄な力を使わず、看護者や介護者の負担を軽減する手法が導入されている。ボディメカニクスが必要とされる背景には、看護者や介護者の身体的負担が大きく、重労働で腰や肩を痛めることが多いことがある。
ボディメカニクスの原理
看護や介護においてボディメカニクスを取り入れるには、主に次のようなポイントが原則として挙げられる。
(1)足幅を前後左右に広げて立位を安定させる(支持基底面積を広くする)
(2)腰を落として重心を低くし、骨盤を安定させる(重心を低くする)
(3)対象者を持ち上げずに水平に移動させる(重心の移動をスムーズにする)
(4)対象者に接近する
(5)対象者には手足を体の中央に引き寄せてもらい、身体を小さくまとめる
(6)足先を動作の方向へ向ける
(7)指や手だけでなく大きな筋群(大胸筋や腹直筋、大臀筋など)を使う
(8)テコの原理を利用する
引用参考文献
1)伊木康人.オムツ交換におけるボディメカニクス基本8原則の活用と腰痛の関係 ― ビデオカメラを用いた介護現場の観察を通して.日本介護福祉士会.
2)伊木康人ほか.ボディメカニクスの基本8原則に関する調査から.山口県介護福祉士会.