スターリングの心臓の法則とは・・・
スターリングの心臓の法則(すたーりんぐのしんぞうのほうそく)とは、イギリスの生理学者であるアーネスト・ヘンリー・スターリングとその共同研究者であるオットー・フランクが提唱した、心拍出量と心室の収縮に関する法則である。心臓のポンプ機能、つまり血液を送り出す能力は、心筋が伸びれば伸びるほど大きくなるとの考え方である。
心筋の伸縮は、心臓の前回運動時にどのくらい心筋が伸びた状態で運動が終了したかによる。最後の弛緩期に心筋の長さがどれくらいだったかが、次回の心筋の収縮能力に影響を及ぼす。
1回の心筋運動終了時に平均以上の血液量を心臓に保持している場合(前回の心筋運動時の血液排出量が少なかった)、心筋が長く伸びた状態で運動が終了する。法則によれば、次の心筋運動時は心臓の収縮率が高くなり、より多くの血液を排出する。
ただし、この法則は心臓の動きか生理的正常範囲内であることを前提にしている。循環器系の疾患の場合、法則通りにはいかない場合がある。