動脈管とは・・・
動脈管(どうみゃくかん、ductus arteriosus)とは、胎児期に見られる肺動脈と大動脈をつなぐ血管のことである。ボタロー管ともいう。
母胎内で、血液を胎児の全身へ送る通り道として重要な役割を担っている。
胎児期には、肺呼吸が行われないため、胎盤から流れる酸素の多い血液は、右心室から肺動脈に入り、肺を経由せずに動脈管を通って直接大動脈へ送られる仕組みになっている。出生後、肺呼吸が始まると、肺動脈から肺静脈へと血液が回る。すると、この動脈管は必要なくなるため、生後2~3週間程で完全に閉塞する。
なお、動脈管が閉鎖されない場合は、動脈管開存症(ボタロー管開存症)という先天性の心疾患となる。
引用参考文献
1)“動脈管開存症”.日本小児学会.
2)奈良間美保ほか.系統看護学講座 専門分野Ⅱ 小児臨床看護各論 小児看護学2.第13版,医学書院,2015,570p.(ISBN9784260019903)