体位ドレナージの準備 | 排痰ケア/ドレナージ【1】
【監修】
東京労災病院 看護部
「体位ドレナージ」とは?
・体位ドレナージは、痰などの気道分泌物を除去するための処置
・分泌物の位置を特定し、その位置に対応した適切な体位をとることで、重力のはたらきで、痰を中枢気道に移動、もしくは排出させることができる
「体位ドレナージ」の禁忌
- 頭頸部外傷後
- 脊髄損傷急性期
- 術後の不安定期
- 出血傾向を伴う循環動態不安定
- 頭蓋内圧20mmHg以上
- 膿胸、胸水のドレナージされていないもの
- 大量胸水
- 肺塞栓
- 無処置の肋骨骨折
- 原発性肺水腫
- 体位変換に耐えられそうにない高齢
- 精神不安定
- 無気肺
「体位ドレナージ」の準備
(1)経管栄養も含めて、すべての食事から2時間以上が経過していることを確認する
(2)聴診、胸部X線、CTスキャンなどによって分泌物の位置を確認する
(3)体位交換前に自力で分泌物を排出できる患者さんには、排出を促す
■ポイント■
気管挿管患者、気管切開患者の場合は、体位変換前に吸引を行っておく
(4)患者さんに挿入、装着されている点滴ラインや気管チューブ、心電図モニタのパッチ類などは事前に整理整頓しておく
(5)体位ドレナージの目的とその方法を患者さんに説明し、ご本人の同意を得ておく