「院内PHSって何ですか?」って言われる日はいつ来る…!?|看護roo!ニュース

院内PHSで仕事をしながら話す看護師

病院内の連絡ツールとして定番のPHSから、スマートフォンやガラケーへ切り替える病院が、じわじわ増えてきました。

 

今回は、看護師の働き方にも影響の大きい、病院の通信事情を紹介します。

 

 

なぜ「スマホやガラケー」が増えてるの?

スマホやガラケーへの切り替えが増え始めている理由は、大きく2つあります。

 

病院内での携帯電話使用ルールの緩和

公衆網PHSサービスの終了

 

PHSは携帯電話と比べて電波出力が弱く、医療機器に与える影響が少ないため、これまで病院で広く使用されてきました。

 

しかし、2014年に電波環境協議会が「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」を発表。

 

技術の進歩により携帯電話の電波出力が低下したことなどを受け、原則として禁止されていた病院内での携帯電話の使用ルールが緩くなりました

 

病院内での携帯電話の使用ルール/使用可能:食堂、待合室、廊下、エレベーターなど/メール・WEB等のみ使用可能:病室、診察室など、使用禁止:手術室、ICU、検査室、治療室など(使用する場合、医療機器から1メートルくらい話す)

電波環境協議会「医療機関における携帯電話等の使用に関する指針」を基に看護roo!で作成

 

さらに、2020年7月にソフトバンクが公衆網PHSサービスを終了すると発表したことも、スマホやガラケーへの切り替えを後押ししています。

 

病院内のネットワークを介して使用する院内PHSとしては引き続き使えるものの、切り替えを検討している病院が少しずつ増えています。

 

 

どのくらいの病院が携帯電話を使ってるの?

では、現在、どのくらいの病院が携帯電話をすでに使用しているのでしょう。

 

日本病院会が行ったアンケートによると、一部利用を含め約3割の病院でスマホを利用していました。

 

※アンケートは、日本病院会の会員病院である2450病院を対象に、2019年9月に行われたもの。業務へのスマホ利用に関する質問の有効回答数は462病院。

 

病院業務にスマホを使ってる?(462病院が回答)/利用:4.8%、一部利用:22.9%、利用していない:72.3%

日本病院会「『医療機関における電波状況に関するアンケート』結果報告について」を基に看護roo!で作成

 

スマホを使っている病院の多くは外線での利用が中心でしたが、電子カルテの確認・入力(31病院)やナースコール(8病院)など、業務のIT化に活用している病院もありました。

 

 

病院がPHSを使い続けたい“事情”とは?

少しずつ増えているとはいえ、まだまだPHSを使っている病院が多いのが現状です。

 

その背景には、病院ならではの事情があります。

 

PHSが病院にとって

 

コストが安い

持ち運びやすい

機能がシンプル

 

など、何かとメリットが多いからです。

 

一方で、スマホやガラケーは、コストがかかる上にセキュリティの問題もあります。

 

そのため、切り替えにはまだ慎重な病院が多いようです。

 

とはいえ、PHSがなくなるのは時代の流れ…。

 

まだ切り替えていない病院も、どこかのタイミングでスマホやガラケーに代わるはず。

 

「院内PHSって何ですか?」と言われる日は、それほど遠くないかもしれません。
 

看護roo!編集部 坂本朝子(@st_kangoroo

 

 

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(参考)

『医療機関における電波状況に関するアンケート』結果報告について(日本病院会)

医療機関における携帯電話等の使用に関する指針(電波環境協議会)

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