注入の実施 | 経管栄養剤の注入【2】
【監修】
札幌保健医療大学保健医療学部看護学科
教授 小島 悦子
北海道科学大学保健医療学部看護学科
准教授 久賀 久美子
「経管栄養剤の注入」の手技手順
(1)患者さんに栄養剤を注入することを説明し、事前に排泄などを済ませてもらう
(2)患者さんをファウラー位にし、枕の位置を整え、襟元をタオルで覆う
(3)患者さんにおしぼりを渡し、手を拭いてもらう
■ポイント:患者さんにおしぼりを渡すのはなぜ?■
栄養剤の注入は、患者さんにとっては食事になるため、手を拭いてもらうことで、患者さんに食事であることが伝わり、消化液の分泌がよくなるとされているため
(4)不識布で包んだ栄養チューブを取り出し、手袋を装着した手でカテーテルチップシリンジと栄養チューブを接続する
■ポイント■
栄養チューブの蓋をはずすときは、胃内容物の逆流を防ぐために、チューブを折り曲げておく
(5)聴診器を胃部にあて、カテーテルチップシリンジ内の空気を胃内に入れ、気泡音を確認する
(6)次に、カテーテルチップシリンジの内筒を引き、胃液を吸引する
(7)気泡音と胃液吸引で栄養チューブが胃内にあることが確認できたら、栄養セットと栄養チューブを接続する
■ポイント■
栄養セットを接続するときも、栄養チューブを折り曲げておく
(8)栄養セットのクレンメ(クランプ)を開いて注入速度を調節しながら、滴下を開始する
(9)患者さんに栄養剤の注入が始まったことと終了予定時刻を告げ、気分不快等があればすぐにナースコールで呼ぶよう話し、患者さんの手元にナースコールがあることを確認する