食事援助
【監修】
山本君子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
佐藤智子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 講師)
「食事介助」の目的
●患者さんに、ベッド上で、安全かつ安楽に食事を摂取してもらえるように介助を行う
「食事介助」の適応
●経口摂取が可能であるが、ベッド上安静の指示が出ている患者が適応となる
「食事介助」の禁忌
●検査・処置などのための食止め、または経管栄養法を用いているなど、経口摂取による食事の指示が出ていない患者には禁忌である
●誤嚥のリスクが高く、専門職による特別な監視や介助が必要となる患者の場合は、介助してよいかどうか確認が必要となる
「食事介助」の必要物品
- ティッシュペーパー
- 体位調整用の安楽枕(必要時)
- 看護師用エプロン
- 箸
- スプーン
- ストロー
- おしぼり
- タオル
- 食事療法の指示書
「食事介助」の実施手順
(1)食事療法の指示書から方法・時間などを確認する
(2)患者さんの体調と食欲を確認する
(3)不要な物を片付け、換気や照明・空調の調節を行う
(4)上半身を起こし、前屈させた姿勢にする
(5)頭部の挙上(30~60度)・枕の使用などで調節する
(6)襟元にタオル・ナプキンなどをかける
(7)食膳などを使いやすい位置に配置する
(8)食事介助前に、患者さんと一緒に献立を確認する
(9)最初に、水分を一口飲んでもらう
(10)飲み込みやすい量の食物を口に運ぶ
(11)食べるペースなどを観察し、次の一口を入れる
(12)水分を食事中・食後に飲んでもらう
(13)食後に食物残渣がないことを確認する
(14)おしぼりで手を拭いてもらい、下膳する
(15)食後の体調・食事への満足度・疲労感などを観察する
(16)30分程度、上半身を起こして過ごしてもらうよう伝える
(7)食事量・水分摂取量・食事動作などカルテに記録する
(8)最後に、患者さんの体位や寝具を整える
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
【引用・参考文献】
なし