シャワー浴の介助
【監修】
山本君子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
佐藤智子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 講師)
「シャワー浴」とは
●シャワー浴は、温湯を用いることで全身を清潔にする効果が高く、体力消耗の少ない保清方法である
「シャワー浴」の適応
●シャワー浴を行うためには、椅子坐位の保持や気化熱などによる消耗に耐えられる運動機能や体力が必要となる
●循環器疾患や皮膚症状、医療器具の装着などにより、全身浴による温熱・水圧の影響が禁忌となる患者が適応となる
●陰部や下半身のみを清潔にする必要がある患者も対象となる
「シャワー浴の介助」の禁忌
●病室外での行動が制限される安静度指示の患者は禁忌である
●実施当日のバイタルサインに大きな変動や異常値がある患者、運動能力が低下している患者は中止するのが望ましい
「シャワー浴の介助」の必要物品
- 洗面器
- シャンプー
- ボディーソープ
- フェイスタオル
- ドライヤー
- 洗浄用タオル
- バスタオル
- 入浴用エプロン
- ヘアブラシ
「シャワー浴の介助」の実施手順
(1)指示書などを確認し、入浴の予約を行う
(2)入浴前の健康状態を確認する
(3)シャワー浴の説明し同意を得る
(4)室温を24±2℃に設定する
(5)シャワーの湯温を39~40℃に調節する
(6)浴室床面や座面に温湯をかけ、温める
(7)足拭きマットなどを設置する
(8)入浴介助用エプロン・長靴を装着する
(9)患者さんの羞恥心に配慮しながら、バスタオルで身体を覆う
(10)患者さんを浴室内のシャワーチェアへ移動させる
(11)湯温が適温であることを、看護師の腕などで確認する
(12)フェイスタオルで全身を十分に洗う
(13)シャワーをかけ流し、石けん分を除去する
(14)転倒に気をつけながら脱衣室へ移動する
(15)バスタオルで完全に水分を拭き取り、着衣を促す
(16)看護師の入浴介助用エプロン、長靴を脱ぎ、患者さんの私物を持ち帰るためにまとめる
(17)浴室および脱衣室を清掃し、片付けをして終了
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)