下部消化管内視鏡検査の介助 | 消化管内視鏡検査【2】
【監修】
中島恵美子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
東 利江(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 准教授)
「下部消化管内視鏡検査の介助」とは
●内視鏡を消化管に挿入して観察、撮影、組織の採取を行い、診察や病態を把握すること
「下部消化管内視鏡検査の介助」の目的
●患者さんの不安や苦痛を軽減させて、検査を安全・安楽に受けられるようにする
●検査中の観察を注意深く行い、異常を早期に発見する
「下部消化管内視鏡検査の介助」の禁忌
●患者さんの同意が得られない場合
●腹膜刺激症状がある場合
●中毒性巨大結腸症
「下部消化管内視鏡検査の介助」の必要物品
- ティッシュ
- 膿盆
- シリンジ
- 注射器
- 検査用トランクス
- ガーゼ
- マスク
- 手袋
- 処置用シーツ
「下部消化管内視鏡検査の介助」の準備
(1)検査室内の準備を整える
(2)必要物品を準備する
(3)検査前日の21時以降は絶食しているか必ず確認する
(4)経口腸管洗浄液の内服してもらう
(5)15分間隔で2時間かけてゆっくり服用する
(6)1時間かけて半量を内服し、排便の有無を確認する
(7)患者さんに検査用トランクスに着替えてもらう
(8)左側臥位で、両足の膝関節を曲げてもらう
(9)バスタオルを掛け、不必要な露出を避ける
「下部消化管内視鏡検査の介助」の実施手順
(1)力を抜いて口呼吸をしてもらうように伝える
(2)腹満感・下腹部の不快感、便意があるが、問題がないことを伝える
(3)スコープ挿入時に患者さんに声かけをする
スコープ挿入時の患者さんへの声かけ例
「身体の力を抜いて、ゆっくりと口で息をしましょう」
「検査中は腸に空気を入れるので、お腹が張った感じがします。ガスが出そうになるので、遠慮せずに出してください」
「途中で、お腹が押されたりつっぱったりすることがあります。痛みがあるときは知らせてください」
(4)体位変換・用手圧迫で、円滑な挿入を図る
「下部消化管内視鏡検査の介助」の実施後手順
(1)スコープ抜去後は検査が終了したことを伝え、ねぎらいの言葉をかける
(2)腹部の張り・腹痛の可能性があるなど、検査後の注意点を伝える
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
【引用・参考文献】
(1)田中 雅夫 (監修),清水 周次 (編集):やさしくわかる内視鏡 検査・治療ケア,照林社,東京,2011
(2)田村 君英 (編集):技師&ナースのための消化器内視鏡ガイド 検査 治療 看護,学研,東京,2010
【撮影協力】