腰椎穿刺(ルンバール)の介助 | ドレーン・検体検査【3】
【監修】
中島恵美子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
森下純子 (杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
「腰椎穿刺(ルンバール)」の目的
●髄液圧の測定
●髄液の採取
●薬剤の注入
●脊椎麻酔
「腰椎穿刺(ルンバール)」の適応
下記の疾患の診断および経過観察
●髄膜炎・脳炎
●脳血管障害
●腫瘍性疾患
●神経変性疾患
●脱骨髄性疾患
●その他、脊髄及び末梢神経疾患
「腰椎穿刺(ルンバール)」の禁忌
●頭蓋内圧亢進が疑われる場合
●うっ血乳頭を認める場合
●穿刺部位の皮膚および皮下に炎症がある場合
●出血傾向がある、または抗凝固剤を使用中の場合
「腰椎穿刺(ルンバール)」の必要物品
- 固定用テープ
- 絆創膏
- 消毒液
- 膿盆
- 穴あき滅菌ドレープ
- 注射針(18,23G)
- 注射器(5,20mL)
- 鑷子
- 腰椎穿刺針
- スピッツ
- マーカーペン
- 滅菌ガーゼ
- 滅菌ガウン
- キャップ
- 滅菌消毒セット
- マスク
- 手袋
- 滅菌手袋
「腰椎穿刺(ルンバール)」の実施手順
(1)患者さんに腰椎穿刺の必要性・流れを説明する
(2)検査前に排尿を促し、バイタルサインを測定する
(3)検査に必要な体位をとってもらう
(4)ベッドの端に身体を寄せ、側臥位をとってもらう
(5)膝を屈曲し、腹部に引き付けるように両手で抱え込んでもらう
(6)顎を胸につけてもらう
(7)医師が実施する消毒の介助を行う
(8)【医師】穿刺部位を消毒し、穴あきドレープをかける
(9)局所麻酔薬の注入介助を行う。医師が注入を行いやすいように留意する
(10)医師が穿刺を実施する。穿刺中、患者さんの状態を把握し、声掛けを行う
ポイント
医師は患者の背中側で穿刺の手技に集中しているため、看護師は患者の観察を怠らないことが重要
(11)疼痛・顔色・脈拍・呼吸状態などの異常があれば医師に報告する
(12)髄液が流出してきたら、患者さんに全身の力を抜くよう伝える
(13)髄液をスピッツに採取し、検査に出す
ポイント
正常髄液圧は60~180mmH2O程度で、無色透明
(14)医師が消毒をした後、絆創膏を貼る
(15)終了後、バイタルサインの測定を行う
■注意すべき副作用
- 頭痛
- 吐き気
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
【引用・参考文献】
(1)福井次矢 他(編):体腔穿刺.三輪書店,東京,2000.
(2)真弓俊彦(編):ビジュアル基本手技 コツを覚えて必ずできる!体腔穿刺.羊土社,東京,2008.
(3)ナースハッピーライフ:髄圧検査の介助(2016/01/13 アクセス)
(4)看護roo!:腰椎検査(2016/01/13 アクセス)