インスリン製剤の種類・用法・副作用の観察 | インスリン【2】
※動画内に一部誤りがございました。「インスリン注射の種類と作用の特徴」でご紹介している「特攻型」は「持効型」の誤りです。訂正してお詫び申し上げます。
【監修】
中島恵美子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
百々典子 (杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
インスリン製剤の種類
インスリン製剤の種類は、薬効により「超速効型」「速効型」「中間型」「混合型」「持効型」がある
インスリン製剤の注入器の形態
・インスリンカートリッジ製剤をセットして使用するペン型注入器
・あらかじめインスリン製剤がセットされた使い捨てのペン型注入器
などがある
インスリンの分泌の種類
●基礎分泌…基本的に24時間一定の分泌
●追加分泌…食事によって変化する分泌
インスリンの単位
mLやmgではなく単位という表現で用量を示す
インスリン療法中に最も高頻度に見られる副作用
もっとも見られるのは低血糖である
【原因】
・インスリンの過剰投与
・食事の不足や遅れ
・運動の過剰
・アルコールの多飲
低血糖が疑われた場合の看護師の対応
低血糖を疑う何らかの症状があれば、ただちに簡易血糖測定器で血糖測定を行う
(患者さんに意識障害があれば、高血糖による昏睡と低血糖の鑑別が必要になり血糖測定が重要になる)
【対処法】
●患者さんの意識障害の有無によって、経口で糖質を摂取させるか、医師の指示によりブドウ糖液の静脈注射またはグルカゴンの筋肉注射を行う
●経口摂取ができる場合は、角砂糖5個程度のブドウ糖を水と共に摂取してもらう
●ブドウ糖がない場合、倍量の砂糖(角砂糖5個程度)やジュース(低カロリー、100%果汁は避ける)を摂取してもらう
●摂取後15分経過を見て、症状が改善しなければ、繰り返し、炭水化物80~160kcal相当を摂取してもらう
●症状がおさまっても再び血糖値が低下する可能性があるので、食事前であれば食事をとる
●次の食事時間まで1時間以上ある場合、米飯・パン・クラッカーなどの炭水化物を80~160kcal相当を摂取してもらう
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
【写真協力】
サノフィ株式会社
【引用・参考文献】
(1)朝倉俊成(著):薬と注入器の特徴・選び方のコツがまるわかり! インスリン・インクレチン関連薬の自己注射くすりとデバイスQ&A,69,メディカ出版,東京,2013
(2)日本糖尿病療養指導士認定機構編(編著):糖尿病療養指導ガイドブック2015.p73,メディカルビュー社,東京,2015
(3)荒木栄一(編集主幹):最新インスリン療法 改訂第2版 ヴィジュアル糖尿病臨床のすべて.p24,中山書店,東京,2015
(4)引用文献(2)p75
(5)引用文献(3)p72
(6)林 道夫(監修):糖尿病まるわかりガイド 病態・治療・血糖パターンマネジメント,学研メディカル秀潤社,東京,2014
(7)引用文献(2)p150
(8)引用文献(2)p151
(9)引用文献(1)p28