毒薬・劇薬・麻薬の管理 | 薬剤管理【1】
【監修】
山本君子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
「毒薬・劇薬・⿇薬の管理」の目的
●毒薬・劇薬・麻薬を正しく取り扱い、薬剤の紛失や盗難を防ぐ
●正しい管理により、医療事故が予防できる
「毒薬・劇薬・⿇薬の管理」の必要物品
- 麻薬処方箋
- 麻薬表施用伝票
- 麻薬指示書
- 生理食塩水
- 手袋
- 針捨て容器
- 消毒液
- 消毒綿
- シリンジ
- 注射針
- 麻薬アンプル
- シリンジキャップ
- 筆記用具(ボールペン・赤ペン)
毒薬・劇薬・麻薬の取り扱いについて
麻薬の取り扱いは「麻薬および向精神薬取締法」によって施用や管理について定められている。都道府県知事から免許を受けた麻薬施用者のみが「麻薬処方箋」を交付することができる
毒薬・劇薬・麻薬の表示
毒薬・劇薬・⿇薬にはそれそれ決まったラベルが貼られている
- 毒薬:黒地に白枠、白文字で「毒」と書かれている
- 劇薬:白地に赤枠、赤文字で「劇」と書かれている
- 麻薬:形は丸で「麻」と書かれている
麻薬の保管について
●麻薬の紛失・盗難に最も注意が必要
●鍵のかかる堅固な保管庫を使用する
●麻薬保管庫は、出し入れ時以外はかならず施錠する
●麻薬保管庫から麻薬を取り出す際は、指示書の照合しながら6Rを必ず確認し、ダブルチェックもかかさず行う
■誤薬防止のため6R(Right)
- 正しい患者(氏名、部屋番号など):Right Patient
- 正しい薬剤:Right Drug
- 正しい量:Right Dose
- 正しい方法:Right Route
- 正しい時間:Right Time
- 正しい目的:Right Purpose
●注射薬の準備後、ダブルチェックで6Rを確認する
●薬液があまった場合は、麻薬施用伝票とともに保管する
●あまった薬剤は破棄しないように注意する
●点滴ボトルに混注した場合、患者さんの名前の下に赤線を入れ、混注されていることがわかるようにする
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
【引用・参考文献】
(1)日本緩和医療学会(編集):がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2014年版.金原出版,東京,2014.
(2)厚生労働省医薬品食品局:医療用麻薬適正使用ガイダンス.(2016/02/04アクセス)
(3)医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律