NPPV装着患者さんへの看護ケア | 人工呼吸ケア【7】
【監修】
中島恵美子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
伊藤有美 (杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 講師)
「NPPV装着患者への看護ケア」の目的
●陽圧換気やマスク装着などNPPV管理に伴って引き起こすリスクの高い合併症を早期発見し、予防する
●NPPV装着に伴う患者の不快感や苦痛などを緩和し、さらに、精神的サポートを行うことでNPPV管理の継続が期待できる
「NPPV装着患者への看護ケア」のポイント
NPPV装着患者さんへの看護ケアにおいては、悪化の早期発見のため、患者さんの状態を観察する必要がある
●呼吸状態の観察方法
- 呼吸数、呼吸パターンおよびNPPVとの同調性、SpO2を観察
- 呼吸音の聴取
- 呼吸困難の有無を確認
- 換気量などの実測値を観察
- 動脈血液ガス分析、レントゲン所見を確認
●循環動態の観察方法
- 心拍数および心電図変化をモニタリング
- 血圧測定、末梢循環状態を確認
- 尿量測定(水分バランスを確認)
●循環動態の観察方法
- 心拍数および心電図変化をモニタリング
- 血圧測定、末梢循環状態を確認
- 尿量測定(水分バランスを確認)
●意識レベル、精神状態および受け入れ状況
- 意識レベルを確認
- せん妄スクリーニングなどの活用と評価
- 患者さんの自覚症状、訴えを聞く
●消化器症状について
- 腹部膨満感、悪心・嘔吐の有無を確認
- 腸蠕動音の聴取
- 排便や排ガスの有無を確認
●皮膚・粘膜の状態の確認
- 皮膚の状態(発赤や損傷など)を確認
- マスクフィッティングの状態、圧迫され過ぎていないか確認
- 口鼻腔粘膜、口渇や鼻閉感など患者の訴えを聞く
- 眼の充血、乾燥の有無を確認
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
【引用・参考文献】
(1)濱本実也編、長谷川隆一監修:誰でもわかるNPPV 非侵襲的陽圧換気.東京、照林社、2015.
(2)日本呼吸器学会 NPPVガイドライン作成委員会:NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン 改訂第2版.東京、南江堂、2015.
(3)高橋美希:NPPV患者の褥瘡予防.呼吸器ケア、Vol.12、No.9、p.98~102,2014.