パウチ交換 | ストーマケア【3】
【監修】
中島恵美子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 教授)
【執筆】
松村 康平(杏林大学医学部付属病院 看護師)
「パウチ交換」の目的
●適切にストマの装具交換をおこない、患者さんの不快を取り除く
「パウチ交換」の適応
●消化管ストマ造設患者
●尿路ストマ造設患者
「パウチ交換」の必要物品
- マスク
- ビニール袋
- 消毒液
- ガーゼ・布など
- エプロン
- 手袋
- ぬるま湯
- 剥離剤
- 洗面器
- 膿盆
- ノギス
- はさみ
- ストマパウチ
- 石けん
「パウチ交換」の準備
(1)手指衛生をおこなう
(2)感染予防のため、ディスポーザブル手袋・エプロン・マスクを装着する
(3)パウチ交換の前に、排泄物を捨てておく
(4)患者さんの姿勢を立位から椅子に浅く腰を掛けた状態にし、腹部のしわ・たるみが自然になるように伸ばす
(5)患者さんに間違いがないか本人確認をする
「パウチ交換」の実施手順
(1)ストマの下にガーゼを準備し、患者さんに一声かけ、パウチを剥がす。皮膚トラブルを予防するため、指で皮膚を押さえながら少しずつやさしく剥がす
ポイント
パウチ交換の目安は、皮膚保護材の溶解部分がストマ孔から1cm以内
(2)ストマとストマ周囲の皮膚状態を観察する
■観察項目
- 痒みの有無
- 発疹の有無
- 発赤の有無
(3)ストマとストマ周囲を洗浄する
ポイント
・石けんをよく泡立て、やさしく洗い、皮膚の垢や汚れを十分に落とす
・石けんが残らないように、ぬるま湯でしっかりと洗い流す
・皮膚の水分をガーゼなどで拭き取り、十分に乾かす
(4)患者さんの状態に応じて、パウチ装着前に皮膚保護材を使う
ポイントストマ周辺にびらんがある場合
粉状皮膚保護材を使用する。このとき、余分な粉ははらっておくとよい
ポイント皮膚に深いしわやくぼみがある・ストマの陥没やいびつな形の場合
排泄物の漏出を防ぐため、ペースト状・シールタイプ・リングタイプの皮膚保護材をストマ周辺に貼る
(5)パウチを装着する。パウチの向きを確認し、皮膚保護材の剥離紙を剥がし、しわを伸ばしてから貼付する
(6)装着後、数秒間貼付面を押さえなじませる
「パウチ交換」の実施後手順
(1)交換したストマ装具についての記録をおこなう
■記録項目
- ストマ装具の種類
- ストマ装具のサイズ
- ストマのサイズ
- ストマの高さ
- ストマの形
- ストマの色
- ストマの交換日
【出演】
市川砂織(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
田地奏恵(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 助教)
森下純子(杏林大学保健学部看護学科看護学専攻 非常勤講師)
【引用・参考文献】
(1)溝上祐子(監修):ナースのためのやさしくわかるストーマケア.ナツメ社,東京,2015.