レオポルド触診法 | 妊娠中の検査【2】
【監修】
筑波大学附属病院 看護部
小山記念病院 看護部
レオポルド触診法の目的
・腹部の触診によって子宮内の胎児の位置、姿勢や数、羊水の多少等を観察
・子宮底長測定のために、子宮底位置を観察する
・胎児心音聴取のために最良聴取位置を確認する
・同時に妊娠線、浮腫、腹直筋離開など母体腹部の観察の機会とする
レオポルド触診法の準備
(1)妊婦に排尿などを済ませていただく
(2)妊婦にレオポルド触診法を行う目的を説明する
(3)仰臥位になっていただき、腹部を露出する
⇒この時、プライバシーには留意する
(4)股関節と膝関節を曲げていただき、腹壁を弛緩させる姿勢をとっていただく
触診手順の基本
(1)妊婦と対面する状態で腰のあたりに立つ
(2)両手の指先をあわせて少し湾曲させ、小指側を子宮底部置き、触診する
(3)子宮底の位置や高さ、形、そして胎児のどの部分が子宮底にあるかを観察する
⇒頭部は胎児のどの部分より大きく、固い球形で表面にでこぼこがなく、浮球感がある
⇒臀部は柔らかい半球2個の不正形で表面にでこぼこがあり、浮球感がある
(4)子宮底部にあてた両手を左右の子宮壁にそって下に滑らせながら、子宮の両側壁にあて、手のひら全体で左右交互に子宮を触診します
(5)胎向、胎動、子宮の形状・大きさ・緊張・羊水量などを触診する
⇒児背は一様の硬さの長い板状にふれ、球状に湾曲し移動性がない
(6)右手を恥骨結合上部に移し、拇指と他の指4本でその部位にある胎児の下降部を挟むようにする
(7)頭位か否かなど胎児下降部の種類、大小、移動性、骨盤内進入状況、そして浮球感などを触診する
■ポイント■
恥骨上部の触診は、片手でも両手でも、どちらで行ってもよい
(8)診察者は妊婦の足元の方に向きを変え、両手指をそろえ軽く湾曲させて左右の恥骨上枝上縁に沿うようにおく
(9)胎児下降部の恥骨との間に静かに指先を圧入し、両手の間で下降部をとらえる
(10)胎児下降部の骨盤進入状況を触診する