注射器での採血 | 採血【1】
【監修】
札幌保健医療大学保健医療学部看護学科
教授 小島 悦子
北海道科学大学保健医療学部看護学科
准教授 久賀 久美子
「採血(注射器使用)」:必要物品
(1)トレイ
(2)手袋 (感染予防のために使用)
(3)針捨容器 (針やシリンジ等の感染性廃棄物を使用後すぐに捨てる際に使用)
(4)駆血帯
(5)真空採血管
(6)注射器(シリンジ) (採血量に適したシリンジを使用)
(7)注射針 (一般的に21~23Gの針を使用)
(8)アルコール綿・絆創膏
(9)指示箋
(10)肘枕 (患者さんの腕を置くために使用。安定した形状・材質のものを使用)
「採血(注射器使用)」:実施手順
(1)患者さんに説明する
患者さんに採血の目的や手順を説明し、採血する患者さんに間違いがないか、本人確認をする
(2)患者さんに注射前の準備をする
衣服等を整え、肘枕の上に肘を伸ばした状態で腕を乗せてもらう
(3)駆血帯を巻く
刺入部位の約10㎝上に駆血帯を巻き、血管を確認する
■ポイント■
弾力があり、太く、まっすぐで、拍動がない静脈を選ぶ
(4)刺入部位を消毒する
アルコール綿で刺入部位を中心に外側に円を描くように消毒し、乾燥をするまで待つ
(5)刺入する
親指で、刺入部位から約10cm下の皮膚を伸展させる
■根拠:親指で皮膚を伸展させるのはなぜ?■
皮膚を伸展させることで、血管が固定されるので、針が刺しやすくなる
■ポイント:刺入角度■
注射針のカット面を上にして、血管の走行に合わせて、10~20度の角度で刺入する
⇒針が血管に刺入したら、針の角度を少なくして針を少し進める
(6)必要量の血液を採取する
注射器をしっかりと固定したまま、皮膚を引いていた手を離し、内筒をゆっくり引いて必要量を採取する
⇒患者さんに痛みやしびれがないかを確認し、異常があれば抜針する
(7)駆血帯を外し、抜針する
注射器を固定したまま駆血帯をはずし、針を抜く
■ポイント■
針を抜くと同時に、刺入部位をアルコール綿で押さえ、患者さんに圧迫してもらう
(8)スピッツに分注する
採取した血液は、患者さんが注射部位を圧迫している間に、試験管立てのスピッツに自然吸引にまかせてゆっくりと分注する
■ポイント■
抗凝固剤入りの試験管は、数回、静かに転倒混和する
(9)後片付けをする
使用した注射器と注射針はリキャップせずに、専用の針捨容器に入れる