義歯のある臥床患者さんへの口腔ケア | 口腔ケア【2】
【監修】
日本医療大学保健医療学部看護学科
准教授 小島 悦子
義歯のある臥床患者さんへの口腔ケア:必要物品
(1)吸い飲み(水入り)
(2)義歯用歯ブラシと義歯保管容器
(3)歯磨き剤
(4)スポンジ・ブラシ
(5)ガーグルベースン
(6)フェイスタオル
(7)手袋
(8)ゴーグル
(9)プラスティックエプロン
(10)マスク
義歯のある臥床患者さんへの口腔ケア:実施手順
(1)患者さんに口腔ケアを実施することを説明し、同意を得る
(2)患者さんの体位を整える
⇒可能な限り頭部を挙上し、顎を引いた体位にする
(3)胸元にタオルをかける
(4)看護師は、手袋・マスク・エプロン・ゴーグルを装着する
(5)患者さんの口の中を観察する
(6)義歯をはずし、専用の容器に入れる
■ポイント:義歯のはずしかたのコツ■
義歯の前側を持ち、奥歯の方を浮かせるように手前側を引き上げ、斜めに取りだす。総義歯の場合、下の義歯からはずすと上の義歯がはずしやすくなる
(7)口腔内の汚れを取り除く
(8)義歯を落とさないように注意しながら、流水でブラッシングしながら汚れを落とす
■ポイント■
水を張った容器の上で洗うと、うっかり義歯を落とした場合の破損を防げる
■ポイント■
義歯専用歯ブラシの硬い毛先の方は、金属の部分を洗うときに使う
■ポイント■
熱湯やアルコールの使用は、義歯の変形や変質につながるため避ける
(9)義歯をすぐに装着しない場合は、義歯専用の容器に保管する
⇒保管の際は、義歯が全て浸かるように水を入れる
■ポイント■
義歯は乾燥すると、ひび割れや変形を起こすので、必ず水を入れる
(10)患者さんに口周囲の力を抜いてもらい、前歯の部分を持ち、ななめに口のなかに入れる
■ポイント■
・総義歯の場合は、上の義歯から先に入れるとスムーズに入れることができる
・上唇小帯や下唇小帯と義歯の中央が一致しているかを確認する
(11)義歯がきちんと装着されているか、患者さんに確認する
(12)口の周囲をタオルで拭き、寝衣やベッド周囲を整え、終了