車いすでの移送 | 車いすの移乗・移送【3】
【監修】
筑波大学附属病院 看護部
小山記念病院 看護部
車いすの移送:ポイント
- 急な加速、停止をしない
- 方向展開は降臨を軸に回転する
- 患者さんの重心を、背もたれに近づけておく
- 停止中は、必ずホイールのブレーキをかける
- ⇒上記は転落防止、恐怖・気分不快・眩暈を予防するために行う
段差を上がる
(1)車輪を段差の手前まで進める
(2)患者さんの背中を背もたれに付けて重心を後ろに移し、そしてティッピングレバーを踏んで前輪を持ち上げる
(3)ゆっくりと段の上に前輪を乗せて、後輪が段差に当たるところまで前進する
(4)太ももで車いすの背もたれを押して段差を上がり、乗り越える
■ポイント■
患者さんの重心を後ろに移動しつつ、自分も前に体を押し付けるようにする
段差を下りる
(1)段差の手前で方向転換して後ろ向きになる
(2)太ももで車いすの背もたれを支える
(3)ゆっくりと後輪をおそす
(4)ティッピングレバーを踏んで前輪を上げた状態で段差をおりる
(5)ゆっくりと前輪を下ろして方向転換する
■ポイント■
転落防止のため、降りるスピードには注意する
エレベーターに乗る
(1)エレベーターの前で後輪を支点にして方向転換して後ろ向きになる
■ポイント■
後輪を支点にして回転することで、気分の不快や目まいを防ぐことができる
(2)両ホイールのブレーキをかける
(3)エレベーターが来たら、「開延長ボタン」を押して扉を開いたまま固定する
(4)ブレーキを解除し、患者さんに声かけしてエレベーターに移動する
■ポイント■
エレベーターの昇降中はブレーキをかけたまま、動かないようにする
坂道をくだる
(1)坂道を下る場合、患者さんに声かけして後ろ向きに方向転換する
■ポイント■
方向転換は後輪を軸にしてゆっくり回転するようにする
(2)坂をくだる時はブレーキを分けてかけながら、加速しないようにくだる
(3)ブレーキがない車いすの場合は、前傾姿勢になりながら、バランスを取ってくだる
(4)坂を下りきったら後輪を軸にして方向転換して進行方向を向く