ロフストランドを使用する歩行介助 | 歩行介助【3】
【監修】
筑波大学附属病院 看護部
小山記念病院 看護部
「ロフストランド杖」の適応
- 片側の下肢に障害や筋力低下があり、立位保持が困難
- 前腕の力が強いこと
「ロフストランド杖」の特徴
- 握りを掴むため、大きな荷重を伝えやすい
- 握りに荷重が加わると、前腕カフに前腕が押し当てられ、指示性が高くなる
- 前腕での支持になるため、立位の補助機能は低くなる
「ロフストランド杖」の長さ調節
(1)立った状態で、足先から前へ15cm、外側へ15cmはなれたところに杖を置く
(2)この状態で肘関節の下に前腕カフが来るように長さを調節する
「ロフストランド杖」の調整
(1)健側の腕にロフストランド杖を持つ
⇒患側に荷重がかかることを防ぐために実施する
(2)前腕カフの輪の部分に腕を入れ、手の甲を上に向けてしっかりと握り、ひじを軽く曲げる
「ロフストランド杖」を使用した介助方法
■原則■
介助者は患者さんの患側に立ち、背中を支える
⇒患側への転倒が多いため
「ロフストランド杖」を使用した介助~平地を歩く場合~
(1)杖を前に出す
(2)患側を前に出す
(3)最後に健側を前に出す
⇒この動きを繰り返して前に進む
「ロフストランド杖」を使用した介助~階段をおりる場合~
(1)介助する看護師は、患者さんよりも一段下に先行し、体を支えるように杖先を一段下におろす
(2)バランスを失わないように、介助する看護師は患者さんの腕を曲げて胸に置いて、その腕を片方の手で支える
(3)もう一方の手で患者さんの背中を支え、前後両面から体を保持する
(4)階段を下る時は、平地と同じく、患脚を先におろす。続いて健脚をおろす
(5)この繰り返しで、「杖→患脚→健脚」という順で階段をおりる
⇒介助する看護師は常に一段下から体を支える
「ロフストランド杖」を使用した介助~階段をのぼる場合~
(1)介助する看護師は患側に立ち、一段下で体を支える
(2)くだりの時と同じように患者さんの腕と背中を支える
(3)杖先を一段上に乗せる
(4)先に健脚を前に出す
(5)最後に患脚を前に出す
(6)この繰り返しで「杖→健脚→患脚」という順で階段をのぼる