臥床患者さんへのシーツ交換 | ベッドメイキング【1】
【監修】
日本医療大学保健医療学部看護学科
准教授 小島 悦子
臥床患者さんへのシーツ交換:実施手順
※ここでは、看護師2人でシーツ交換を実施する場合について解説する
(1)患者さんにシーツ交換を実施することを伝え、同意を得る
(2)看護師は、シーツ交換時にほこりなどを吸い込まないように、マスクを装着する
(3)患者さんに綿毛布をかけ、かけ布団を取りはずし、患者さんの足元で、掛け布団カバーをはずす
(4)使用中のシーツを引き出す
■ポイント■
頭側から足元に向かって手を横にすべらせながら、マットレスの下に入っているシーツ類を引き出す
(5)シーツを最初に交換しない側に枕を移動させ、患者さんを側臥位にする
⇒患者さんが向いた側にいる看護師は、患者さんの肩と腰を支える
■ポイント■
側臥位をとることができない患者さんの場合は、仰臥位のまま、作業する側と反対側に水平移動させる
(6)使用中のシーツは、肌に当たっていた面が内側になるように中央に向かって丸め、患者さんの身体の下に入れる
■ポイント■
身体の下にシーツを入れ込む際、ベッド面を上から垂直に押し込みながら行うと、ベッドと身体の間にスキマができ、入れ込みやすくなる
(7)粘着テープ付きローラーを用いて、マットレスパッドのほこりなどを取り除く。ローラーは頭側から足側へ向けておこなう
(8)マットレスパッドを静かにめくり、マットレスのほこりなども同様に取り除き、マットレスパッドを敷きなおす
(9)清潔な下シーツを広げる。中心線に合わせて足元側に広げたあと、手前に広げる
⇒反対側に広げるシーツは、マットレスパッドに当たる面が使用中のシーツに当たるようにしながら扇子折りにして、患者さんの下に入れ込む
(10)マットレスを下シーツで覆う
⇒足を前後に開き、重心を低くした姿勢で、マットレスの頭側にある方の手でシーツを把持(はじ)し、もう一方の手でマットレスの頭側を持ち上げ、頭側のシーツをマットレスに入れ込む
(11)頭側のコーナーが三角になるようにシーツを入れ込む
(12)足元側のシーツを入れる
⇒ベッドの足元側に立ち、足元側のシーツを把持し、頭側から足元側にまっすぐシーツを引き、シワをのばし、シーツを引っ張ったまま、足元側のシーツをマットレスの下に入れ込む
(13)頭側と同様に足元のコーナーを三角にして、シーツを入れ込む
⇒側面に垂れているシーツを、中心線がずれないようにしながらマットレスの下に入れ込む
⇒防水シーツや横シーツを使用している場合も同様に入れ込む
(14)枕を反対側にずらし、患者さんを反対側に側臥位にし、清潔なシーツの方へ移動させる
■ポイント■
患者さんが丸めたシーツの山を乗り越えることになるため、患者さんに声をかけるようにする
(15)使用していたシーツを取り除く
⇒シーツの内側の汚れが落ちないように、ベッドの足元側に向かって内側に丸めながらはずす
(16)粘着テープ付きのローラーでマットレスパッドとマットレスの埃などを取り除いたあと、清潔なシーツをすべて引き出す
(17)シーツのシワを伸ばしながら、頭側と足元のコーナーを三角にして入れ込み、その後、シーツの側面も入れ込む
⇒足元側にシーツを入れ込むときは、シーツを対角線の方向にベッドの面に水平なるようにひっぱりながら、シワをのばした状態でマットレスに入れ込む
■ポイント■
防水シーツや横シーツを使用している場合は、しわを取りながら手前にしっかりと引き、マットレスの下に入れ込む
(18)患者さんの寝衣のしわを伸ばしながら、仰臥位にする
(19)患者さんの足元で掛け布団に新しいカバーをかけ、カバーの紐を結ぶ。患者さんに掛け布団をかけ、綿毛布をはずす
(20)枕カバーを交換する
⇒患者さんの頭をゆっくりと持ち上げ、枕をはずす。患者さんからはなれた場所で、新しい枕カバーをかけ、枕を患者さんの下に入れる
(21)ベッド周囲を整頓し、ナースコールを患者さんの手の届くところに置く
(22)患者さんにシーツ交換が終了したことを告げ、終了