ネブライザーのしくみ・準備 | 薬液吸入【2】
【監修】
京都中部総合医療センター 看護部
吸入療法とは?
吸入療法とは、ネブライザーなどの方法で、気道内に薬剤を投与する治療法。
特に加湿を目的にする場合は、生理食塩水などをネブライザーで投与します。
エアロゾル粒子とは?
煙霧体のこと。気体のなかに微粒子が多く浮かんだ物質
エアロゾル粒子の到達範囲とは?
エアロゾル粒子は、小さければ小さいほど気道の末梢まで到達することが特徴
■各気管に到達するときのエアロゾル粒子の目安サイズ(μm)
・咽頭や気管…5~10μm
・気管支…2~5μm
・細気管支や肺胞…1~2μm
※「μm」…読みかたは「マイクロメートル」
■ポイント■
気管支より先の末梢まで到達させるためには直径5μm以下でなければならない
吸入療法の注意点
●加湿を目的とする場合は、「薬剤」ではなく「生理食塩水」を入れて吸入をおこなう
⇒ただし、この加湿の効果はネブライザーを使用しているあいだしか継続しない
●患者さんの状態によっては吸入療法よりも「うがい」や「身体の水分バランスを整えること」が効果的なケースもあり
■ポイント■
ネブライザーを使用する呼吸療法の場合、感染リスクも伴うため、常に機器の清潔を保つ必要がある
ネブライザーの種類
ネブライザーには大きく2種類の方式がある。
(1)超音波ネブライザー
<特徴>
超音波ネブライザーは二層式。超音波発信機からの振動が蒸留水に伝わり、その振動で薬液などが振動し、霧状になる
(2)ジェットネブライザー
<特徴>
ジェットネブライザーは、霧吹きと同じ原理で動くネブライザー。高速の気流が薬液を吸い上げ、さらに霧状にする