推しの舞台は「行けるときは全部行く」プライベートの全てを推しに注ぐ、強火2.5次元俳優オタクの話|ナースの推し事(7)

 

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この連載では、さまざまな「推し」と一緒に日々を乗り切るナースに、推しのいる日常や、推しに救われた経験をインタビューしていきます。

 

第7回は、2.5次元系の舞台などで活躍中の和田雅成さんに夢中だという、サヤカさん(仮名)にインタビュー。推しの舞台は可能なかぎり観に行き、多いときでは1作品30回以上も観劇するそう。いったいどうやって、お仕事と両立しているんでしょうか…?

 

生粋のオタク気質である筆者が、じっくりお話を伺ってきました!

 

取材・文/於ありさ(ライター)

原作派だったのに一撃でハマった! サヤカさんが語る推しの魅力

――本日はよろしくお願いします! まずはサヤカさんのプロフィールを教えてください。

 

看護師4年目で、新卒から手術室に勤務しています。推しは、舞台俳優の和田雅成さんです!

 

――和田さんを推すようになったきっかけは、どんなことだったんでしょうか。

 

5年ほど前に、当時流行っていたアニメ『おそ松さん』が舞台化するのを知って、軽い気持ちで舞台に申し込んでみたら、当たっちゃって!

 

そのとき出演していた和田さんがかっこよすぎて、即落ちしちゃったんです。それで、劇場を出てすぐに和田さんのSNSをフォローしたのが始まりです。

 

――それまでも2.5次元系の舞台は見ていたのでしょうか?

 

いえ、『おそ松さん』の舞台が初めてでした。もともと流行っているアニメやマンガには目を通す方だったんですが、「なんだかんだ原作が一番いいなあ」って感じている部分もあって

 

『おそ松さん』もアニメから入っているので、「舞台はどうなんだろう…?」って、正直そんなに期待してなくて…。でも行ってみたら、すごくおもしろかったんです…‼

 

 

その後に和田さんが出演した舞台『刀剣乱舞 虚伝 燃ゆる本能寺 〜再演〜』にもダメ元で申し込んでみたら、それも当たって…! 次も、次もと繰り返して、和田さんが出演する舞台には基本的に全部行くようになりました

 

――すごいスピード感! 和田さんの推しポイントを教えてください。

 

目の演技が、すごく好きです。目線とか、まばたきとか、ひとつひとつに感情が込められていて。あとは、原作のキャラクターが「こういうことやりそうだな〜」というような、すごい細かいところまで丁寧に表現するところ。

 

それから、殺陣がめちゃくちゃ上手なんですよ! 昔は殺陣が苦手と言っていたけど、どんどん上手くなるのが見ていてわかるんです。最近だと雑誌の特技欄に「殺陣」と書いてあることもあって!

 

和田さんは私よりも年上なのですが、親戚のおばちゃん目線で「すご〜い! レベルアップしてる〜!」って感心しています(笑)。

 

舞台はとにかく「行けるだけ行く」サヤカさんの推し活スタイル

 

――舞台が主な現場だとは思うのですが、どのくらいの頻度で行くのでしょうか?

 

できれば全作品全通したいくらいの気持ちで、行けるだけ行っています。コロナの影響で中止になった公演もあったりするけど、平均すると、1つの作品につき10回以上は行ってると思います。

 

公演数が多ければ多いほど観劇回数も増えて行くので、1つの作品あたりだと、今までに最高で37回観に行ったこともありますね。

 

今までで1番観劇したという、2019年1年間のチケット。この年は作品数も多くて、6作品74公演も観劇したそう!

 

――そんなにたくさん! 2.5次元作品以外の舞台も、同じ熱量で追いかけているんでしょうか。

 

そうですね。あくまでも私が好きなのは、「演技をしている和田さん」なので、2.5次元作品かどうかには、こだわりはないんです。

 

なので、作品によって、見に行く回数や、申し込みのモチベに差が出るわけではないですね。どんな作品でも「行けるだけ行く」っていう気持ちは変わらないです。

 

――なるほど。何度行っても楽しめる理由を教えてください。

 

行くたびに新しい魅力を発見できるんですよね。

 

和田さんは、自分が目立たないところでもずっとお芝居していたり、細かい表情で表現したりしていて。それを1つずつ目で追えるようになっていくと、「こんなことしてたんだ!すごい!」って感動するんです。

 

それにだいたいそういうのって、DVDに映らないところだったりして。映像として残らないからこそ、しっかり覚えておきたくて、何度も見に行っちゃいますね。

 

公演を重ねるたびにスキルが上がることや、役者同士の仲が深まってお芝居が変わっていくのを見るのも楽しいんですよね。

 

自宅に飾っているグッズ。「飾る場所がもうなくて、ちょっとした空間に並べてます。これでもほんの一部です…!」とのこと

 

「神頼み」が一番当たる⁉ サヤカさんのチケット事情

 

――気になるのはお金やお仕事とのやりくりなのですが、そもそもチケットってそんなに当たるのでしょうか?

 

いくつか理由はあるのですが…。まず、行きたい日に申し込むのではなくて、申し込める上限まで申し込んで、当たった日に休みを取るようにしています。

 

席種にこだわりがない、というのもあると思います。前の方の席に座りたいというよりも、席はどこでもいいから和田さんの演技を1つでも多く見たいタイプなので。

 

あとは…神頼みです(笑)。チケットが当たると有名な神社が全国にあるので、ことあるごとに行くようにしています。

 

――神頼み! 効果のほどはどうですか…?

 

それが、意外と効果がある気がするんです!

 

今までで一番と言っていいくらい倍率が高かった、和田さんのバースデーイベントにどうしても行きたくて、新大久保の皆中稲荷神社(東京・新宿区)にお参りに行ったんです。

 

 

和田さんがバースデーイベントをやるのも珍しいのに、箱も小さくて。そのうえ、すごく人気な俳優さんがゲストで出るって発表されたこともあって、とんでもない倍率になっていたんです。

 

正直、神頼みしても無理だろうと思ってたんですけど、当落見たら当たってて…‼ 神頼みのおかげかはわからないけど、うれしかったし、それ以上にびっくりしましたね。

 

――それはすごい…! 時間のやりくりはどうしているのでしょう?

 

私が所属しているオペ室は、基本は平日8時半~17時の日勤で残業もほとんどないので、土日はもちろん日勤終わりにも舞台を観に行けるんですよ。勤務の有無をあまり気にしなくていいので、かなり都合がつけやすいんです。

 

今は関東近郊で実家暮らしなのですが、東京の劇場にも通いやすい距離感だというのもありますね。

 

DVDやBlu-ray、パンフレット、雑誌の切り抜き、ブロマイドを収納している棚。ものすごい量!

 

――チケットが当たった日には休みを取ることもあるとのことでしたが、お休みは自由に取れるんでしょうか?

 

希望休の上限はあるけど、比較的自由に取れます。舞台のない月は希望休を使わず、舞台がある月に多めに使えるようにしています

 

それに、私の職場って、趣味やプライベートの話はあまりしないんですよね。休みを取る時に「なんで?」と聞かれたこともないから、希望も出しやすくて。

 

ただ、一緒に働いている人たちの言動やシフトの出し方を見て「誰かしらのオタクなのかな?」と感じることは多々あります(笑)

 

――わざわざ話さなくても、実は協力し合っているって素敵ですね。お金のやりくりはどうしているのでしょうか?

 

お給料の中でなんとか…。実家から通える職場を選んだので、生活費が削れているのが大きいですね。

 

ボーナスが入った時にはちょっと良いものを買ったりもしますが、服も化粧品も基本はプチプラばかり。自由に使えるお金はほとんど推し活に充てています

 

お渡し会をループしてたくさん買ったというカレンダー。全部で4.8kg! 持ち帰るのにとても苦労したそう

 

ガチ恋でも拒否でもないけど、「同担が苦手」な理由

 

――観劇は、1人で行くことが多いですか? それとも、友達と?

 

基本的には1人ですね。1人の方がスケジュールの都合をつけやすいし、自由にできるから、オタ友がほしいと思ったこともなくて。

 

それに、ちょっと言いづらいんですが、いわゆる同担の方との交流があまり得意ではなくて…

 

――なぜですか?

 

同担の人が、私が行けなかった公演に行ってるのを見ると、悔しくなっちゃうんですよ。「私の知らない公演を見たのか〜」って…(笑)。

 

――それ、すごくわかる気がします。推し活に優劣なんてないのに、無意味に比較しちゃうというか…。

 

そうなんです。でも、推し活をしていく中では、自分が一番幸せだって思っていたくて

 

そもそも同担の推し活について知らなければ、自分が知る限りでは自分が一番幸せでいられますし。

 

――推しを独占したいわけではなく、同担さんとの交流が、楽しさより苦しさにつながってしまうんですね。

 

そうそう。ガチ恋でも拒否でもなく、へこんだり悲しくなったりしたくないだけなんです。

 

それに、「推しの魅力を語り合いたい!」っていう気持ちもあまりない方で。「今日良かったところは私がわかってるからOK!」みたいな、自分で見つけた魅力を、自分で消化できればいいかなって思ってます。

 

推し始めてから現在までに買い集めたグッズ。「これも飾る場所が足りなくて…。壁がもう一面欲しいです」とのこと

 

「ショックなのは自分たちも一緒だよ」推しの言葉を胸に乗り越えた休演期間

 

――コロナ禍でなかなか現場に行けなかった時もあったと思うのですが、モチベーションは下がりませんでしたか?

 

下がりましたね。ちょうど1度目の緊急事態宣言が出された頃に、すごく好きだった作品の沖縄公演に行く予定があったのですが、それが全部中止になったんです。そのときはショックすぎて、まともにご飯も食べられない日もありました。

 

あの時期は、チケットの払い戻しが相次いで、お金は貯まったのですが…。どうしようもないとわかっていても、「お金はいいから、舞台見せてくんないかな?」って気持ちでしたね。

 

――その時はどのように乗り越えたのでしょうか?

 

和田さんが「ショックなのは自分たちも一緒だよ。やりたかったし、見せたかったよ」って言ってくれたのを聞いて、公演が再開するのを楽しみに頑張りました。

 

和田さんを好きになってからずっと、3カ月に1回は何かしら生で見ていたので、長期間生で見れないっていうのは初めてでしたね。

 

久しぶりに見れたときは「あ!生きてた!」って安心しました(笑)。

 

観劇の時にバッグにつけるという、和田さんのイニシャルのチャーム。演じる役柄ごとのイメージカラーに合わせて選ぶそう

 

――サヤカさんにとって、和田さんの発する言葉の存在が大きいことがわかります。

 

そうなんですよね。和田さんは自分の考えをしっかり持っている方だなって思っていて。それに影響されて、自分自身の考え方を省みることもありますね

 

――それは、どんなときだったんでしょうか?

 

一番印象的だったのは、和田さんが雑誌で「良い舞台を作るためなら、嫌われてもいいから、自分の思うようにやろう」という内容を話していたのを読んだときですね。

 

それってきっと、自分勝手だとかそういうことではなくて。人の言うことを一番に気にして動くんじゃなくて、もっと大きな目的のために自分のやるべきことをやる、みたいな意味なのかなと思ったんです。

 

私は人の言っていることを気にしちゃうタイプだから、純粋にその姿勢がすごいなって思って。すぐ見習えるものでもないけど、真似していきたいなって思っています。

 

――和田さんの言葉で、サヤカさん自身の考え方が変わったり、新たな視点を持てたりしているんですね…!

 

和田さんの毎月の連載が掲載されている雑誌の切り抜き。連載初回の分からすべて保存してあるそう

 

悩んでいた時に今の職場に決められたのは、推しのおかげ

 

――お仕事の中で、オタクでよかったな~!と思うことがあれば教えてください。

 

1番は、会うことがモチベーションとなって、お仕事を頑張れることです。

 

それと、実は今の職場に決められたのも和田さんのおかげなんですよね。

 

――どうしてですか?

 

学生の頃からオペ室の勤務に憧れていたのですが、オペ室って病棟で経験を積んでいる方が多いイメージだったので「新卒の私が、いきなり希望を出してもいいのかな」と、かなり迷っていて。

 

でも「日勤で上がれたら、18時半からの公演に間に合うじゃん!」って気がついて、ダメ元で希望を出すことにしたんです。

 

それでいざ働いてみたら、すごくやりがいがあって楽しいんですよね。新卒から今に至るまで、転職したいなと思ったことがないくらい。

 

動機は不純だし、間接的ではありますが、和田さんには感謝しています。

 

――なるほど…! 自分に合った職場に出会う後押しをしてくれたんですね。最後に、サヤカさんにとって、推しとはどのような存在でしょうか?

 

生きがい…ですかね。「和田さんを推すために生きている」と言えるくらい。和田さんは、言葉で「頑張っている」とは言わないタイプの努力家なんですが、毎日更新してくれるブログを読んで「今日も頑張ってたんだな〜、私も頑張ったな〜!明日も頑張ろう」と思えるんです。

 

そもそも彼を好きになっていなかったら、今のオペ室でも働いていなかったかもしれないですからね。好きになっていなかったら今頃どうしていたんだろう…。本当に感謝しています。

 

舞台『刀剣乱舞』を観劇したときのお写真。仕事と両立させながら一途に和田さんを応援し続けるサヤカさんの毎日は、とても輝いているように感じました

 

好きになってから今日まで、和田さんに対する愛が一直線なサヤカさん。

 

サヤカさんがおっしゃっていた「自分が一番幸せだって思っていたい」という言葉を聞いて、推し活の魅力、在り方に気づかされた気がしました。

 

たとえ同じ人やモノを推しているとしても、推し方は人それぞれ。だからこそ、できるだけストレスフリーに楽しく推し活をし、憂うつな毎日を前向きに乗り越えたい。

 

売上枚数や再生数など、数字にとらわれてしまうこともある筆者ですが、2022年はとにかく楽しく推し活していきたいと改めて思いました。

 

執筆

ライター於ありさ

エンタメ系のインタビューライター。Walkerplus・テレビジョン・マイナビなどで執筆中。サンリオ/男性アイドル/ラジオ/テレビ/お笑いなど多方面のオタク。

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イラスト

イラストレーターあさなさくま

漫画家・イラストレーター。日常をコミカルに描いたコミックエッセイや、ポップなイラストレーションを発表。アパレル出身ならではのリアルなファッション描写を持ち味としている。

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