同じ演目を20回観劇する劇団四季オタク看護師が、コロナ禍でも推しへの愛を深めた話|ナースの推し事(5)
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この連載では、さまざまな「推し」と一緒に日々を乗り切るナースに、推しのいる日常や、推しに救われた経験をインタビューしていきます。
第5回に登場してくれたのは、ミュージカル、特に劇団四季が大好きだというモカさん(仮名)。実はモカさん、同じ演目を20回観にいくこともあるという、かなりの強火オタクさんなんだとか…⁉
生粋のオタク気質である筆者が、じっくりお話を伺ってきました!
取材・文/於ありさ(ライター)
同じ演目に20回行くことも⁉ モカさんの推し活スタイル
――本日はよろしくお願いします!まずはモカさんのプロフィールを教えてください。
看護師歴7年目で、ICUで3年間働いた後に転職し、今は療養型病院の内科で働いてます。趣味はミュージカルを観に行くことで、特に劇団四季(以下:四季)が大好きです!
――ミュージカルを好きになったのは、いつ頃からなのでしょうか?
ミュージカル自体は、演劇部だったのもあって、高校生の頃から観ていました。四季を初めて観たのもその頃で、演目は『マンマ・ミーア!』でしたね。歌唱力もすごいし、ダンスも揃っていて、「やっぱりプロって違う!」と感動したのを覚えています。
でも、同じ演目に何回も行くようになったのは、4年くらい前からですね。
――それは、なにかきっかけがあったんですか?
自宅の近くに四季の劇場ができて、そこで『リトルマーメイド』をやるということで、観に行ってみたんです。演目自体は看護学生時代に観たことがあったけど、せっかくだし、と思って。
そしたら、1回目に観たときよりも感動したんです! ストーリーを知っているからこそ、衣装とか舞台装置とかに注目できるようになって、そのひとつひとつに感動しちゃって。「同じ作品を何度も観るのって、こんなに楽しいんだ!」と気づいて、観終わってすぐ次の予約を入れました。
――行動が早い…! その後、リトルマーメイドはどのくらい観たんですか?
なんだかんだで、20回くらい観に行きましたかね?
100回以上観に行っているオタクもいるので、オタクの中ではそんなに多いほうじゃないんですけどね(笑)。
それに、四季は年単位のロングラン公演もよく行っているから、公演数自体も多いですし。
SNSでつながった観劇友達のレポを読んで、「そこ、観てなかったな!今度行く時は観てみよう!」と思うこともあったりして、何回行っても飽きないんですよね。
シフトが出る前にチケットをおさえる! 職場にも広がるミュージカルの輪
――希望休は、比較的自由に取れるのでしょうか?
希望休は月に3日取れます!
ただ、良い席は販売開始日じゃないと取れないから、シフトが出てから取る、というわけにはいかなくて。その月のシフトが出てから、行けなさそうな日の分は、オタ仲間や同僚に譲っています。
――シフトを待たずにチケットをとっているんですね…! 職場の人も、モカさんがミュージカルオタクだと知ってるんでしょうか?
みんな知っています! 入職時の自己紹介カードに「趣味:観劇」って書いて、それを見た宝塚ファンの先輩が話しかけてくれたので、すぐに打ち解けられました。
――職場の人と一緒に行くこともありますか?
一緒に行くことはあまりないけど、チケットを代わりにとることはありますよ。せっかく興味を持ってくれたんだし、良い席で観てほしくて。
それに、観に行った人の感想を聞いて、別の方も「観に行きたい!」って言ってくれることもあるんです! 職場で観劇の輪が広がっていて、すごく嬉しいですね。
コロナ禍でも、つらい気持ちから救ってくれたのは劇団四季だった
――これまで観た公演で印象に残っているものはありますか?
2020年の7月に観に行った公演ですね。
その年の2月末から7月までの4カ月間は、コロナの影響で公演が中止になっていて。感染対策を徹底した上で再開すると知ったとき、「人生で最初に観た四季の演目を観たいな」と思って、『マンマ・ミーア!』を観に行ったんです。
――4カ月も…つらかったですよね。
今思うとやっぱり、つらかったですね。劇場に着いて、ポスターを見ただけで、「大好きな四季が戻ってきたんだ」と感じて、こみ上げてくるものがありました。
劇中歌を聞いたときにも泣きましたね。『ダンシング・クイーン』という楽曲の「歌って踊れば人生最高だよ」っていう意味の歌詞を聴いたとき、涙がボロボロっと溢れてきて。
――お話を聞いているだけで泣きそうです…。
療養型病院で働いているから、「医療従事者なのに、コロナとは直接関係のないところで働いていて、なんにもできてないな」って悩んでいたんです。大好きな演劇を観ることもできなくて、すごくつらい4カ月間だったんですよね。
「エンタテインメントがあって本当に良かったな」って、強く感じました。
――モカさんにとって演劇がいかに大切な存在なのか、ひしひしと伝わってきます。
ミュージカルや舞台って、情報解禁が早くて「1〜2年後に上演決定!」と発表されることもよくあるんですよ。先の予定だからこそ、「その時まで頑張って働こう!」と思えるんです。
どの公演を観るか悩むのも楽しいし、1年後のチケットを持っているのも、少しずつその日が近づいてくるのも、うれしいし。実際に観劇するときはタダで観てるみたいで、得した気分になれちゃいますしね。本当は1年前に払っているんですけど(笑)。
遠征時こそチケット代は惜しまない。3泊4日で7公演観たことも…⁉
――ミュージカルだと、座席の位置によってチケット代が変わるイメージがあるのですが、モカさんはどの席で観ることが多いですか?
地元の劇場で観る時や、とにかく回数観たいときには、安く観られるC席を買うようにしています。
ただ、遠征のときは「交通費を払っているのに、席をケチるのはもったいないな…」と、ステージに一番近いS席を取りがちですね。
――観劇の頻度については、自分なりのルールはありますか?
最初は、月6万円ほどの夜勤手当の範囲内で、交通費とチケット代をやりくりしようと思っていました…。でも、気づいたらその範囲を超えていて(笑)。
月3日の希望休を使って、観たい作品をぎゅっと集めて東京遠征することもありました。
――ぎゅっと集める、というと…?
ミュージカルは昼公演と夜公演があるので、昼夜違う公演を観れば1日2本は観れるんです。今までで一番たくさん観たときは、3泊4日で7公演、観劇しました!
――1日に2本も! 体力的に、しんどくなったりしませんか?
正直、かなり疲れますね。地元の公演でも昼夜両方行くのはしんどいのに、遠征だと、劇場に行くまででも疲れますから。観劇して泣いて、合間でごはんを食べて移動して、観劇して泣いて…を繰り返すので、もうヘトヘトです。
でも、観たい作品が多すぎるから、しかたないんですよね。幸せな悩みだと思っています(笑)。
とにかく「劇団四季」が大好き。意外な「推し」とは…?
――ミュージカルの中でも、特に劇団四季が好きなのはなぜなのでしょう?
「作品の魅力を伝えるのが最優先」という、作品主義なところですかね。
四季は1つの演目に対して、主演を5〜6人で回しているんですが、調子が悪かったり、作品を優先できていない演技をしたりすると、すぐ下ろされてしまうんです。自分を出すよりも、まず台本の魅力を伝えようという方針で。
「作品の魅力の8割は台本にある。言葉が全部伝わらないと、台本の内容が伝わらない」という意味で、「一音落とす者は去れ」といった標語もあるくらい。
――俳優さんたちにとっては、かなりシビアな世界ですね…。
そうなんです。ただ、作品主義を貫いているからこそ、「劇場に行ったのに言葉が伝わらなくて、内容がわからなかった」っていうことは、今までに一度もないんです。
初めて観る人も置いていかれることなく作品に入り込めるのは、四季の魅力のひとつだと思います。
――たしかに、それは大きな魅力ですね!ただ、推しの俳優さんが、いざ観に行ったら出てない、ということもあるんですか?
そういうことももちろん起こると思います。でも、私の推しは俳優さんじゃないので…
――? モカさんの推しはどなたなんでしょう?
劇団四季の吉田智誉樹(よしだ・ちよき)社長です!
――社長さんなんですね…! すみません、私がミュージカル界隈の事情に詳しくないので教えていただきたいのですが、俳優ではなく、運営者側を推すというのは、よくあることなんでしょうか?
いや〜…少なくとも私の周りは、俳優さんが好きという方がほとんどですね。
私も好きな俳優さんはいるんですけど、皆さんそれぞれ違った良さがあるので「この人が一番好き!」と決めきれず…。
――なるほど。モカさんが吉田社長を推しているのはなぜなのでしょうか?
演劇への愛、劇団四季への愛がとても深いんです。
観客に対しても誠実な方で、開幕初日や千秋楽には、劇場で観客のお迎えやお見送りをされることも多いんですよ。
――社長自ら! すごいですね…。
そうなんです。それに、以前『キャッツ』の初日を観に行ったとき、初めて社長を生で見かけたんですが、社長は1階席の1番後ろの席に座っていたんです。関係者の方って、もっといい席をとっているイメージがあったんですけど、社長はいつも1番後ろの席にいるんですよ。
上演中も、楽しそうに拍手や手拍子をしながら観劇してらっしゃって。社長としてではなく、演劇を愛する一人の観客として楽しんでいる姿を見て、「素敵だな」と思うようになりました。
ただ、社長への愛がさらに深まったのは、コロナ禍になってからなんです。
――それはなぜでしょう?
コロナ禍で劇団の活動ができなくなってから、社長がファンや劇団員にメッセージを発する機会が増えたんですよ。
コロナによる公演自粛が続き、経営的にかなり厳しい状況なのにも関わらず、休演中も俳優に出演料をしっかりと払い続け、四季を守るために必死になって取り組んでいる様子を、会報誌やマスコミを通して伝え続けてくれて。ファンに対しても、いつも先々のビジョンを示して、前向きな気持ちになれるようなメッセージを届けてくれるんです。
演劇にかかわるすべての人に対して誠実な姿勢に勇気づけられますし、「劇団四季なら、吉田社長なら、絶対にこの危機を乗り越えられる」と信じています。
――最後に、モカさんにとってミュージカルとはなんでしょう?
今後一生付き合い続けたい、生き甲斐。これがないと生きていけない、っていう存在です。
この記事を読んでいる方で「趣味がほしい」と思っている方は、ぜひ一度、足を運んでみていただけたら嬉しいです!
劇団四季への愛、そして吉田社長への愛を語ってくださったモカさん。お話を聞いて、1人のエンタテインメントファンとして、パワーワードの数々に何度も胸が熱くなりました。
1年以上先のチケットという「推しがいる少し先の未来」を手にする。それだけで前向きな気持ちになれるだなんて、なんて素敵なことなんだろう。
それが当たり前ではないということに気づかせてくれた今回の取材を通して、もう2年くらい会えていない推しに感謝を伝えたくなりました。モカさん、ありがとうございました!
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