災害時、いざというときのために!身近なグッズの意外な活用法

電気も水道もガスも使えない。あるのは変哲もない日常のアイテムだけ。そんな状況で生き延びなければならないとしたら、看護師であるあなたはどう行動しますか?

 

こんなときこそ求められるのは「あるもので工夫する力」ではないでしょうか。日常のアイテムも、発想を変えればさまざまな用途で使えるのです。

 

今回は、災害が頻発している今こそ知っておきたい、災害時に役立つ身近なアイテムの活用方法をご紹介します。

 

 

 

◆アイテム1:ガムテープ 

 

日常生活では梱包に使われることが多いガムテープ。丈夫で、かつハサミなしで簡単に切ることができるので、災害時もさまざまな使い方ができます。

 

止血

緊急時には止血テープとして使えます。ただし、ガムテープは粘着力が強いので、直接肌に巻き付けるとテープを外した際に傷口が開きかねません。

 

止血する際は、ガーゼやタオルがあればそれで傷口を覆い、その上からガムテープを貼りましょう。

 

病状のメモ

手で簡単に切れて、どこにでも貼れるガムテープ。

 

ふせん代わりに油性ペンで病状を書いてけが人に貼っておくと、トリアージ区分の決定や、搬送先病院での病状把握のスピードを早めるのに役立ちます。

 

すきま風防止

災害時は暖房器具がほとんど使えないので、体を温めるのにも一苦労します。そんなときにも役立つのがガムテープ。

 

風を通しにくいので、外出する際に服の袖を覆ったり、ドアのすきまに貼ったりすれば、入り込む風を遮断できます。

 

 

 

◆アイテム2:段ボール

 

紙に厚みがある段ボールは荷物の運搬に適しており、流通の場には欠かせない存在です。

 

工作に使われることもある段ボールですが、災害が起きたときはどのように活用できるのでしょうか。

 

仕切りの壁

避難所での集団生活はプライバシーがほぼなく、ストレスが溜まりがちです。数に余裕があるときは、段ボールを仕切りの壁として使うこともできます。

 

 

 

◆アイテム3:ビニール袋

 

コンビニやスーパーで買い物をするだけで簡単に入手できるビニール袋。自宅に常備している人も多いのではないでしょうか。ビニール袋は水を通さないので、排せつ物の処理には特に適しています。

 

簡易トイレ

 

ビニール袋と吸収剤(ちぎって丸めた新聞紙など)があれば、断水時に袋を便器にはめて、トイレの代わりとして使えます。便器がない場合は、パケツや段ボールに袋を設置して代用することも可能です。

 

用を足し終わったら、臭いが広がらないように袋の口を結びます。量が溜まったら袋ごと捨てましょう。

 

赤ちゃんのおむつ

ビニール袋とタオルがあれば簡易的なおむつを作ることができます。

 

2016年の熊本震災では紙おむつが不足しましたが、作り方を知っていればそうした状況も緩和できます。

 

<作り方>
用意するもの:ビニール袋1枚、タオル1枚
 
 

 

(1)ビニール袋の両サイドを切る(手でも切れます)

 

 

(2)真ん中にタオルを敷

 

 

(3)赤ちゃんの体の大きさに合うように、持ち手をくるくる巻いて調節する

 

 

(4)ビニール袋をお尻全体にかぶせたら、足のつけ根あたりで持ち手部分を結んで完成
 
 

 

骨折の手当て(前腕骨骨折の場合)

取っ手が付いた構造を生かして、ビニール袋を骨折の手当てに使うこともできます。

 

ビニール袋はたいていどの家庭にもあるので、機転を利かせれば緊急事態でも応急処置に役立つアイテムになります。

 

<作り方>
用意するもの:ビニール袋(大きい方がよい)、ガムテープ、副木となるもの(固く畳んだ新聞紙、傘、ラップの芯など)
 

 

(1)新聞紙を副木にし、ガムテープで固定する

 

 

(2)ビニール袋の両側面を切る(手でも切れます)

 

 

(3)持ち手を重ねて首にかける

 

 

(4)腕が水平になるように、長さを調節して完成

 

 

 

 

◆アイテム4:新聞紙

本来の用途以外では、割れ物の梱包材などとして使われる新聞紙。しかし、活用の仕方はそれだけではありません。新聞紙の持つ保温性を生かしたり、何枚か重ねて厚みを出したりすることで、災害時に役立つアイテムを作ることができます。

 

暖を取る

新聞紙を何枚か重ね、肌着と上着の間に挟むと保温効果が生まれます。挟まずに羽織って上着の代わりにしたり、靴下の間に巻いてより足元を温かくしたりすることも可能です。

 

簡易スリッパ

地震で大きな揺れが起きたとき、ガラスや食器の破片が散らばった室内を素足で移動するのは大変危険です。そんなとき、新聞紙を折り畳むだけで作れる簡易スリッパが役立ちます。

 

<作り方>
用意するもの:新聞紙1枚

 

 

(1)新聞紙を半分に折る(真ん中に折り目をつける)

 

 

(2)開いて、真ん中に向かって右から左に一度折る

 

 

(3)さらにもう一度、右から左に一度折る

 

(4)折り重なっている方を上にして新聞紙を裏返す

 

 

(5)書類を三つ折りにする要領で、裏返した新聞紙を三つ折りにする

 

 

(6)一度開いて、右から左に一度折る

 

 

(7)左から右に一度折る(これでスリッパのような状態になります)

 

 

(8)ピラピラしている部分を三角にして中に折り込む

 

 

(9)裏返して、四隅を三角に折る

 

 

(10)三角の部分4つを開いて中に折り込み、完成

 

 

(11)さらに補強したい場合は、余った新聞紙を長方形に畳んでスリッパの頭部分に差し込む

 

 

 

 

◆アイテム5:衣類

 

衣類は基本的に誰もが身に付けているものなので、物資が不足している緊急時にこそ役に立ちます。ここでは、吸収性の高さや袖付きの構造を生かした衣服ならではの活用方法をご紹介します。

 

生理用ナプキン

Tシャツをハサミで長方形に切り取り、折り重ねてガムテープで固定すれば、ナプキンの代わりになります。この知識があれば物資が不足した災害下でも、いつ来ると知れない月経に焦らず対応できます。

 

<作り方>
用意するもの:Tシャツ1枚、ガムテープ 

 

 

(1)Tシャツの胸から下の部分を20×40cmに切り取る

 

 

(2)切り取ったものを、横幅が8㎝前後になるように何重にも折り重ねる

 

 

(3)ナプキンの縦幅よりも長めにガムテープを切り取り、中に折り込む(ガムテープはナプキンの固定だけでなく、水モレを防ぐ役割もある)

 

 

(4)ナプキンを下着に貼り付けて完成

 

担架

袖のついた上着(5枚以上)を用意し、袖部分に二本の棒を通すと簡易的な担架が作れます。
上着や棒がない場合は、毛布でも代用可能です。けが人を搬送しやすいように、毛布の両端(長い方)をくるくると巻いて持ち手を作りましょう。

 

 

 

◆アイテム6:ラップ

 

普段は食品にふたをしたり、料理を効果的に加熱したりするのに使用するラップ。
ラップで覆われたものは内側から水分が逃げないので、災害時は傷の保護などの用途で役に立ちます。

 

傷の手当て

けがをした部分にラップを巻き、輪ゴムやテープで留めれば、ばんそうこうの代わりを果たしてくれます。

 

もともとラップは軍事用品であり、兵士はラップを体に巻くことで細菌や病原菌が体内に侵入するのを防いでいました。また、ラップは水やホコリを寄せ付けない素材なので衛生的でもあります。

 

ただし、ばんそうこうと違って通気性が悪いため、傷口に巻く場合は数時間単位で小まめに交換しましょう。

 

暖を取る

ラップには保温効果があるので、直接体に巻くと効果的に体を温めることができます。上着がなく、暖房器具も何も使えないときにはラップが重宝します。

 

水の節約

お皿にラップを敷き、その上に料理を載せれば、洗い物に水を使わないで済みます。食べ終わったらラップを捨てるだけなので、普段は使い捨ててしまう紙皿を使う場合でも、何度も利用できます。

 

 

 

◆まとめ

たとえライフラインが止まったとしても、身近なものを工夫して使えば、応急処置をしたり寒さを防いだりできます。

 

これらの知恵は誰でも実践できるものですが、一般の方より豊富な医療知識を持っている看護師なら、より適切に道具を使いこなせるはず。いざというときのために覚えておきましょう。

 

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