アンプルとバイアルの違い
現場でよく扱う「アンプル」、「バイアル」。 どんな違いがあるのか、表で見ていきましょう。
監修:駒山徳明(佐々総合病院 麻酔科 医師)
アンプル | バイアル | |
---|---|---|
外観 |
●完全に密封された無菌のガラス管に薬剤が入れられた容器 |
●無菌のガラスもしくはプラスチック容器に薬剤が封入され、開口部にゴム栓が取り付けられた容器 |
使用方法 |
●一度に全量をとり、必要量を使用する(全量使わないこともあるが、アンプルの中に残しておかない) ●1アンプルを1人の患者さんにしか使わない |
●必要量をとり、使用する ●薬剤により1バイアルを複数の患者さんに使うこともある |
特徴 |
●完全密閉のため、薬剤が空気や湿度などから守られている ●光で変性する薬剤に(ニカルジピンなど)の場合は、褐色の遮光ガラス容器が使用される
|
●使用し始めると完全密閉ではなくなる(何度か刺すうちに、空気や水分にさらされる可能性がある)ため、比較的安定性の高い(酸素や湿度で変性しにくい)薬剤が封入される ※スガマデクスナトリウム(ブリディオン®)などの例外的に遮光が必要なバイアルは遮光袋に入れて保管 |
取扱い注意ポイント |
●開封時にガラス片が混入することがある ●開封後は早急に使用し、残液を残さない ●ガラスによる怪我に注意する |
●穿刺時にゴム片が混入することがある ●開口部に穿刺する前には、アルコール綿などで穿刺部を清潔に保つ ●太い針を使うと吸引が簡単になるが、ゴム栓部の破損が起きやすい |
薬液の吸い方 |
●壁に針が触れないように、吸い上げる ●針先の刀面を下に向けると吸いやすい ●アンプルに針を入れるとき指を怪我しやすいので注意 |
●シリンジで空気を入れてバイアル内に軽い陽圧をかけ、バイアルを上にして、必要な薬液分だけ空気を入れてから吸う ●2回目以降刺すときは、1回目と同じ場所に刺すように意識する(他の所を刺すと、前に開けた穴から漏れるため) |
単位の書き方 |
●▲アンプル ●▲A
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●▲バイアル ●▲V ●使用量記載時:▲mL、▲U(単位)使用 |
編集:看護roo!編集部
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