おまけ★正解と解説『症例でわかる!臨床にスグ役立つ心電図セミナー』
今回は、看護roo!主催『症例でわかる!臨床にスグ役立つ心電図セミナー』にお申込みをありがとうございます!
セミナー冊子p.42「★おまけコーナー」の正解と解説です。
著者(セミナー講師):白石拓人
(海老名総合病院 特定看護師、BLSインストラクター)
「そもそもP波がどこかわからない…」というお悩みをよく聞きます。
そこでDay1(10/29ライブ配信)の復習として、下記7つの波形の「P波」「J点」「ST地点」を探してペンで書き込んでみてください!
【1】は洞調律です。
【1】では「P波」はわかりやすいのではないかな、と思います。
「J点」が少しわかりづらいかもしれないですが、「角度が急」と「角度緩やか」のつなぎ目、として見つけられると思います。
J点の1~2ミリうしろが「ST地点」ですので、ST地点もおのずとわかります。
ST上昇もしていないですし、洞調律の波形ですね。
「もしかして、QT間隔が広い?」と気づいた方、するどいです!
T波が平べったくて、少しわかりづらいのですが、ギリギリ11ミリ以内に収まっていますので、QT延長でもないようです。
▽全体図(ピンチアウトで拡大できます)
【2】も洞調律です。
【2】もP波はわかりやすく山になっています。探せましたか?
でも、J点が難しいですね。
J点を探すコツは、ノイズが入っていない波形を探してみることです。
ギザギザのノイズが入っている部分では、「角度が急」と「緩やか」の境目がわかりにくいですよね。
QRS波とST部分のつなぎ目が、J点なので、できるだけキレイな波形から探してみるのがコツです。
あと、「R波が高いな」って思った人、良い着眼点ですね!
これは、モニター心電図の感度を強くしている波形ですので、R波が高くなっています。
が、洞調律です。
▽全体図(ピンチアウトで拡大できます)
【3】も洞調律です。
こちらは【1】と同様、典型的な洞調律の例だと思います。
P波、J点、ST地点、探せましたか?
▽全体図(ピンチアウトで拡大できます)
【4】も洞調律です。
【4】はノイズが多く入っていて、なかなかわかりづらい波形ですね。
でも全体図をよく見ると、左から3、4、6番目にきれいなP波があると思います。
心電図を読むコツは、ノイズのあまり入っていない「キレイな波形」を見つけてみることです。
「キレイな波形」を見つけてみると、P波、J点、ST地点はさほど難しくはないかな、と思います。
QTは少し延びているようにも見えますが、ギリギリセーフです。
▽全体図(ピンチアウトで拡大できます)
【5】も洞調律です。
これもノイズが多く入っていて、わかりにくいかもしれませんが「P波」はとがっているので、見つけやすいのではないでしょうか?
【5】の特徴としては、R波が高く、QRSの「S」が低いですね。
その理由は、モニター心電図の感度を高めているからです。
そういった目立つ点が気になりますが、P波が存在し、QRS幅も正常。
ということで洞調律の波形です。
▽全体図(ピンチアウトで拡大できます)
【6】も洞調律です。
【6】は、少し心電図を勉強したことがある人は「あれ?心房細動かな」って思ったかもしれません。
線の揺れが気になりますよね。
でも、心電図を読むコツを思い出して、「キレイな波形」を探してみると、「P波」はみつかると思います。
P波がふたこぶなので、左房負荷ですね。
「なんだっけ?」と思った人は、テキストの55ページを復習してみてください。
左房に負荷がかかっている状態ではありますが、リズムとしては洞調律の波形です。
▽全体図(ピンチアウトで拡大できます)
【7】も洞調律です。
【7】は「P波」が平べったいのでわかりにくいですね。
ただ、QRS波の前に毎回同じカタチの波形がみられるため「P波がある」と判断できます。
そのためこの波形も洞調律です。
「J点」はわかりやすいかと思います。したがってST地点もみつけやすいですね。
Day3で詳しく話しますが、R-R間隔が離れぎみなのも気になります。
このような波形を見たら「電気を発生させる力が全体的に弱いこと」が読み取れます。
そこで、この波形を見つけたら12誘導心電図をとって指示をあおぐなどの対応になります。
▽全体図(ピンチアウトで拡大できます)
P波を見つけるコツ!
P波がどこかわからないときは、まず「QRS波」を探しましょう。
「QRS波を見て、その前に少しでも山がある」その波形が2つ以上存在するなら、山の部分をP波と考えていいでしょう(モニター心電図の場合)。
※P波にはさまざまなパターンがあります。あくまでも一つのコツとして今日は覚えていってください。
最後まで読んでくれてありがとうございました!
おまけページは以上です。
編集:坂本綾子(看護roo!編集部)
最終更新日:2022年9月28日
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