口頭で指示を受けてはいけないのはなぜ?|点滴静脈内注射
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は点滴静脈内注射に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
口頭で指示を受けてはいけないのはなぜ?
輸液で起こりうる事故のなかでも多いのが、注射伝票(医師の指示書)をきちんと確認しなかったことによって生じるミスです。伝票があってもミスが起こりうるのですから、口頭での指示は原則として受けないようにしなければなりません。口頭での指示で生じやすい原因には次のようなものがあります(※)。
薬剤量の単位が曖昧(あいまい)になりやすい
例:ミリという言い方では、mgかmLか分かりません)
複数規格のある薬剤で規格を言い忘れる
例:薬剤のなかには、含有量(がんゆうりょう)の違いによる複数規格を持つものがあります。規格を確認しないと、過剰投与、過少投与になりかねません
投与方法が曖昧になりやすい
例:「入れてきて」というような言い方では、点滴静脈内注射なのか静脈内注射なのか判断できません
患者名が苗字だけになりやすい
例:フルネームを言わないと患者を取り違える危険性があります
とはいえ、緊急の場では、口頭で医師からの指示が出ることは、決してまれではありません。そういう場合は、必ず大きな声で復唱します。あやふやなまま進めてはいけません。
memo間違えやすい表記
指示書に手書きで指示が記されている場合は、読み間違いに注意しましょう。1V(バイアル)、1U(単位)、IV(静脈内注射)などは読み間違いを起こしやすい表記です。少しでも疑問があったら、納得できるまで確かめることが必要です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版