患者によって杖の長さを変えるのはなぜ?|歩行援助
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『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は患者が使用する杖の長さに関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
患者によって杖の長さを変えるのはなぜ?
杖の長さが身長に合っていないと、安全な歩行ができないからです。
一般的に、足先から10~15cm斜め前方に杖をついた時、杖を握っている肘関節が30度に屈曲している長さが適当とされています。日本人では、先端のゴムを含めて85cm前後が平均です。
補助具を使った歩行での看護師の立ち位置
歩行器や杖で歩行中の患者は、足もとを見て歩きがちです。
しかし、足もとを見ると前かがみになり、前方の障害物が目に入らなくなってしまいます。歩行の援助をする場合は、看護師がいざという時に支えられるように患者の斜め後方に立ち、足もとの確認を行います。患者には、「足もとの確認は私が行いますので、進行方向を見てください」と指導をすることが大切です。
姿勢、視線、リズムに気をつけながら、歩幅に合わせて「いち、に、いち、に」と声をかけながら見守ります。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版