足浴を行うのはなぜ?|清潔援助

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は足浴に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

足浴を行うのはなぜ?

足を温めることによって皮膚の清潔が保たれるだけでなく、血液の循環が促されて新陳代謝を高める効果があります。

 

角質化した皮膚が湿潤して柔らかくなるという効果もあります。爽快感や精神的な安らぎがもたらされることで、不眠の解消や疼痛コントロールにつながる場合もあります。

 

座位が取れる患者の場合は、ベッド脇に湯を入れた洗面器やバケツを置き、足を垂らして湯に浸します。座位が取れない患者の場合は、臥床したまま足浴を行います。

 

ベッド上の足元に湯を入れた洗面器を置き、膝を曲げた姿勢で湯に足を浸します。この時、患者の意識の有無にかかわらず、必ず「左足を持ち上げますよ。お湯に浸しますよ」と、声をかけることが重要です。寝ている患者には自分の足元が見えないので、予期しない動作によって驚かせてしまうこともあるからです。

 

患者の状態にもよりますが、足浴は4~5分を目安にします。あまり長い時間続けると、足だけの入浴であっても患者の負担になるからです。

 

図1足浴

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護ケアトップへ