食前・食後を避けるのはなぜ?|入浴援助
【大好評】看護roo!オンラインセミナー
『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は入浴援助の禁忌に関するQ&Aです。
大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授
食前・食後を避けるのはなぜ?
食直前・食直後の入浴は、患者の消化・吸収機能を低下させ、回復にも悪影響を与えることがあります。入浴によって皮膚の血管が拡張し、内臓の血流量が減って消化に影響を及ぼすためです。
口から摂取した食物は様々な消化酵素の作用によって分解され、水や塩類、ビタミンなどと共に消化管壁を通じて血液やリンパに入ります。分解された栄養素が吸収されるためには、消化管の粘膜の血流量が重要な因子になります。消化管の血流量が少ないと、吸収量が低下してしまいます。また、湯の温度が高いと交感神経が刺激されて腸管の運動を抑制し、消化機能が低下してしまいます。
食前・食後1時間以内の入浴は、疲労感が増すことにもつながりますので、避けたほうが無難です。
本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。
[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版