パイロットバルブの硬さ、「耳朶程度」では、なぜいけないの?

『人工呼吸ケアのすべてがわかる本』(照林社)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。

 

今回は「パイロットバルブの硬さ」に関するQ&Aです。

 

露木菜緒
一般社団法人Critical Care Research Institute(CCRI)

 

パイロットバルブの硬さ、「耳朶程度」では、なぜいけないの?

 

手の感覚で調整した場合、適正圧を維持できないためです。多くの場合、高圧になり、合併症を併発する可能性が高くなってしまいます。

 

気管チューブのカフの圧調整

手の感覚でカフ圧調整を行っても、適正圧に維持できない。

 

「手の感覚で調整したカフ圧を、実際に測定してみると、12~83cmHOとばらつきがあり、半数以上が30cmHO以上の高圧を示した」との報告があり、高圧による合併症を起こす可能性が高くなる。

 

カフの適正圧は20~30cmHOであり、10cmHOという狭い範囲に維持しなくてはならない。これは、量にすると0.5mL程度であり、これを手の感覚だけで調整しようというのは無理である。

 


[文献]

 


本記事は株式会社照林社の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新・人工呼吸ケアのすべてがわかる本』 (編集)道又元裕/2016年1月刊行/ 照林社

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