消化器系（96問）　状況設定問題

第98回午後99問

次の文を読み問題3に答えよ。
53歳の男性。営業職の会社員。喉頭癌の診断を受けた。医師から、声帯への浸潤と両側の頸部リンパ節転移とがあり、治療法として喉頭全摘術、放射線照射および化学療法があることが説明された。翌週、妻と再度受診し治療方針を決めることとなった。

問題3
術後10日、瘻孔がないことが確認され食事が開始された。本人と妻は「気管孔が開いたままで食事をすることの注意点を、退院までにしっかり聞いておきたい」と話した。

助言で適切なのはどれか。2つ選べ。

1.　「汁物はストローで吸うと良いでしょう」
2.　「飲み込むときに鼻をつまむと鼻への逆流が防げます」
3.　「麺類は軟らかいので今までと同じように食べられます」
4.　「匂いがわかりにくくなるので味が異なって感じるかもしれません」
5.　「飲み込みに時間がかかるので、1日6回の分割食にする必要があります」

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解答・解説

1.　「汁物はストローで吸うと良いでしょう」: ストローを使用するには、ストローをくわえた口から息を吸い込む必要がある。喉頭全摘術を受けたことから、気道と食道が分離され、呼吸は気管孔から行っているためストローで吸うことはできなくなる。
2.　「飲み込むときに鼻をつまむと鼻への逆流が防げます」: 嚥下するときに鼻をつまむと鼻への逆流を防ぐことができ、また飲み込みやすくなる。よって、適切である。
3.　「麺類は軟らかいので今までと同じように食べられます」: 喉頭全摘術を受けたことから、気道と食道が分離され、呼吸は気管孔から行っているため、麺をすすることができなくなっている。いくら麺類がやわらかいといっても、今までと同じようには食べることはできない。
4.　「匂いがわかりにくくなるので味が異なって感じるかもしれません」: 喉頭全摘術を受けたことから、気道と食道が分離されている。呼吸は気管孔から行うため、食事のときの匂いがわかりにくくなり味が異なって感じるかもしれないという助言は適切である。
5.　「飲み込みに時間がかかるので、1日6回の分割食にする必要があります」: 胃切除術を受けたわけではないので分食の必要はない。