循環器系（91問）　状況設定問題

第107回午前93問

次の文を読み問題3に答えよ。
Aさん（56歳、男性）は、コンビニエンスストアの店長で自動車を運転して通勤している。不規則な生活が続き、ストレスが溜まることも多く、十分な睡眠がとれないこともあった。荷物を運ぶときに胸部の圧迫感が繰り返し出現し受診したところ、狭心症が疑われたため検査をすることになった。脂質異常症の既往がある。

問題3
Aさんの経過は順調で、手術後4日に退院することになった。Aさんは「家に戻ってもまた症状が出るのではないかと心配です」と話した。

Aさんに対する退院指導の内容として適切なのはどれか。2つ選べ。

1.　「水分摂取を控えましょう」
2.　「肉類を多く食べましょう」
3.　「睡眠時間を確保しましょう」
4.　「自動車の運転はやめましょう」
5.　「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」

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解答・解説

1.　「水分摂取を控えましょう」: 水分摂取を控えると、循環血液量が減少して冠動脈が閉塞しやすい環境となってしまう。よって、「水分摂取を控えましょう」という指導は適切でない。
2.　「肉類を多く食べましょう」: 肉類を多く食べて血中の脂質が増加すると血液の粘稠度が上昇し、冠動脈が閉塞しやすい環境となってしまう。よって、「肉類を多く食べましょう」という指導は適切でない。
3.　「睡眠時間を確保しましょう」: ストレスにより交感神経優位となり心拍数の増加など心臓の負担を増加させるため、狭心症の再発の原因となる。睡眠時間を確保してストレスを少なくする環境をつくることで、狭心症再発を防ぐことができる。
4.　「自動車の運転はやめましょう」: 退院直後は心臓に負担をかけないよう、不必要な運動や負荷は避ける必要がある。不必要な運動を避けるために自動車を使うことは必要である。よって、「自動車の運転はやめましょう」という指導は適切でない。
5.　「次回の外来受診までは重い荷物を運ぶ作業は控えましょう」: 退院直後は心臓に負担をかけないよう、不必要な運動や負荷は避ける必要がある。重い荷物を運ぶ作業は心臓に負担となるため、控えたほうがよい。