慢性的な疾患・障害がある子どもと家族への看護（21問）　先天性疾患や慢性的疾患への看護

第106回午後71問

生後1か月の男児。Hirschsprung〈ヒルシュスプルング〉病と診断され、生後6日、回腸部にストーマ造設術を行った。術後は良好であり、退院に向けてストーマケアに関する指導を行うことになった。

母親に対する指導として適切なのはどれか。

1.　「面板をはがした部位はタオルで拭いてください」
2.　「ストーマ装具の交換は授乳直後に行ってください」
3.　「ストーマから水様の便が出る時は受診してください」
4.　「ストーマ装具の交換は滅菌手袋を装着して行ってください」
5.　「ストーマ装具は便を捨てる部分が体の外側に向くように貼ってください」

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解答・解説

1.　「面板をはがした部位はタオルで拭いてください」: ストーマから出る排泄物や排泄物に含まれる酵素で皮膚障害が起こる可能性がある。回腸部のストーマの場合、便に消化酵素を含んでいる。ストーマ周囲の洗浄などの清潔ケアの必要がある。タオルで拭くだけでは不十分である。
2.　「ストーマ装具の交換は授乳直後に行ってください」: 授乳直後には、腸の蠕動運動が活発になり排便しやすくなるため、授乳直後の交換は行わない。
3.　「ストーマから水様の便が出る時は受診してください」: 回腸部のストーマは小腸のストーマであり、排泄されるのは軟便や水様便のため便性は正常である。「ストーマから水様の便が出るときは受診してください」は不適切である。
4.　「ストーマ装具の交換は滅菌手袋を装着して行ってください」: ストーマは、皮膚に造設された肛門で滅菌状態にはないため、滅菌手袋を装着する必要はない。未滅菌のディスポーザブル手袋でよい。
5.　「ストーマ装具は便を捨てる部分が体の外側に向くように貼ってください」: ストーマ用の装具は、排泄物を廃棄しやすいよう、便を捨てる部分が体の外側に向くようにして、体との接触を防ぐように貼る。