災害と看護（35問）　災害時の医療を支えるしくみ

第106回午前90問

災害拠点病院について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.　広域災害医療に対応する。
2.　災害発生時に指定される。
3.　医療救護班の派遣機能を持つ。
4.　免震構造であることが指定要件である。
5.　救急救命士の配置が義務付けられている。

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解答・解説

1.　広域災害医療に対応する。: 広域災害医療の「広域」の定義があいまいであるが、災害拠点病院は複数の市町村からなる2次医療圏ごとに指定されるため、ある程度広域である。また、指定要件に「広域災害・救急医療情報システムに参加し、災害時に情報を入力する体制を整えておくこと」があることからも、広域災害医療に対応しているといえる。
2.　災害発生時に指定される。: 災害発生時に指定されていたのでは機能しない。各都道府県においては、指定要件を満たす災害拠点病院について平時に指定を行っておく必要がある。地域の第2次救急医療機関とともに定期的な訓練を実施し、災害時に地域の医療機関への支援を行う体制を整えておく。原則として、災害拠点病院は複数の市町村からなる2次医療圏ごとに1か所、基幹災害拠点病院は都道府県ごとに1か所整備しておく必要がある。
3.　医療救護班の派遣機能を持つ。: 災害派遣医療チーム（DMAT）を保有し、その派遣体制があることが指定要件の1つである。
4.　免震構造であることが指定要件である。: 診療機能を有する施設は免震構造ではなく、耐震構造であることが指定要件の1つである。
5.　救急救命士の配置が義務付けられている。: 救命救急センターもしくは第2次救急医療機関であることが指定要件であるが、救急救命士の配置は指定要件ではない。ヘリコプター搬送の際には、同乗する医師を派遣できることが望ましいとされている。