子どもと家族を取り巻く環境（6問）　子どもの権利

第105回午前75問

Aちゃん（3歳、女児）は、病室で朝食を食べていた。そこに、医師が訪室して採血を行いたいと話したところ、Aちゃんは何も答えず下を向いて泣き始めた。その様子を見ていた看護師は、Aちゃんは朝食を中断して採血されるのは嫌だと思っているようなので、朝食後に採血して欲しいと医師に話した。

この看護師の対応の根拠となる概念はどれか。

1.　アセント
2.　コンセント
3.　アドボカシー
4.　ノーマライゼーション
5.　ノンコンプライアンス

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解答・解説

1.　アセント: アセントとはインフォームド・アセントのことである。子どもに対して、治療について発達に応じた適切な説明をして理解を助け、治療を受けるという子どもの気持ちを引き出す（同意の取得）ことである。
2.　コンセント: コンセントとは、インフォームド・コンセントのことで、十分な情報提供や説明と理解に基づく同意をいう。患者の説明を受ける権利・真実を知る権利・選択の権利・自発的に同意する権利を保障するものである。
3.　アドボカシー: アドボカシーは、代弁、権利擁護のことであり、自己の権利を行使したり表明することのできない患者の権利を代弁することをいう。本問では看護師が3歳のAちゃんに代わって意思を代弁し、朝食を中断せず食事時間を保障し、採血のタイミングに少しでも子どもの希望を取り入れようとしているため、アドボカシーが適切といえる。
4.　ノーマライゼーション: ノーマライゼーションとは、障害のある人もない人も、互いに支え合い、地域で生き生きと明るく豊かに暮らしていける社会をめざすという理念である。
5.　ノンコンプライアンス: ノンコンプライアンスとは、「従わない、不履行、従順でない」という意味で、医療の分野では、医師の指示に患者が従わないという意味で用いる。