精神保健医療福祉の変遷と法や施策（28問）　精神保健福祉法の運用

第103回午後89問

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律により、病院の管理者が精神科病院に入院中の者に対して制限できるのはどれか。2つ選べ。

1.　手紙の発信
2.　弁護士との面会
3.　任意入院患者の開放処遇
4.　信書の中の異物の受け渡し
5.　人権擁護に関する行政機関の職員との電話

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解答・解説

1.　手紙の発信: 入院患者に対して、手紙などの信書の発信に関する制限はできない。
2.　弁護士との面会: 面会に関しては基本的に自由である。弁護士や人権擁護に関する都道府県等の行政機関の職員との面会は制限できないが、それ以外は病状によって制限ができる。
3.　任意入院患者の開放処遇: 任意入院患者は、原則開放処遇であるが、医療、保護を図ることが著しく困難な場合には、医師の判断によって制限を行うことができる。
4.　信書の中の異物の受け渡し: 受信した信書に刃物、薬物等の異物が同封されていると判断される場合は受け渡しを制限ができる。患者により開封させ、異物を取り出したうえ、患者に受信信書を渡す。その場合、こうした措置をとったことを診療録に記載しなければならない。
5.　人権擁護に関する行政機関の職員との電話: 人権擁護に関する都道府県等の行政機関の職員との通信・面会は、いかなる場合においても制限できない。

「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第37条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」では、入院患者の処遇では、人権に配慮し、行動制限は最も少ない制限でなければならないとし、①通信・面会、②隔離、③身体拘束、④任意入院者の開放処遇の制限について規定している。精神科病院の管理者は、医療または保護に欠くことのできない限度において、入院患者の行動について必要な制限を行うことができる。