精神疾患・障害がある者への看護（41問）　脳の仕組みと精神機能

第96回午前140問

抗精神病薬服用時の錐体外路症状に関与するのはどれか。

1.　リチウム
2.　ドーパミン
3.　グルタミン
4.　マグネシウム

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解答・解説

1.　リチウム: リチウムを使った炭酸リチウムは抗躁病薬として用いられる。機序は未解明であるが、神経伝達物質の遊離やリン脂質の代謝を抑制する作用などが、躁状態への効果に関係していると考えられている。副作用にはリチウム中毒、不整脈、多尿、甲状腺機能低下がある。腎不全、心不全の患者、妊婦には禁忌とされている。
2.　ドーパミン: 抗精神病薬は、主にドーパミン受容体を遮断することで、統合失調症の陽性症状などに効果をもたらす。抗精神病薬の副作用で多くみられる錐体外路症状は、ドーパミン受容体の過度の遮断により起こると考えられている。
3.　グルタミン: グルタミンは、運動後の免疫抑制の軽減やグリコーゲンの回復を促進する効果、腸の機能を整えるはたらきがあるといわれている。抗精神病薬とは関係しない。
4.　マグネシウム: マグネシウムは、酵素を活性化して生命維持に必要な、さまざまな代謝に関与している。マグネシウム不足により、不整脈、悪心・嘔吐、低カルシウム血症の併発、テタニーなどを起こしやすくなる。腎機能低下時の過剰摂取は、高マグネシウム血症、血圧低下、吐き気、心電図異常などの症状を起こす。抗精神病薬とは関係しない。