病気や診療・入院が子どもと家族に与える影響（21問）　プレパレーション

第102回午前72問

A君（10歳、男児）は、既往歴はなく健康である。A君の弟のB君（5歳）は、白血病のため入院しており、治療の一環として骨髄移植を必要としている。A君がドナー候補に挙がっており、両親はA君をドナーとした骨髄移植を希望している。

骨髄移植に関するA君への看護師の説明で適切なのはどれか。

1.　骨髄採取後は腰の痛みを伴う。
2.　A君は何も心配しなくてよい。
3.　A君が頑張ればお母さんが喜ぶ。
4.　B君の病気を治すためにはA君がドナーになるしかない。

解答・解説を見る

解答・解説

1.　骨髄採取後は腰の痛みを伴う。: 骨髄は、腸骨から採取するため、採取後に腰痛が残りやすい。処置を行う際には、成長・発達段階に応じて、事前に子どもに説明する必要がある。
2.　A君は何も心配しなくてよい。: 子どもの年齢や成長・発達段階に応じ、処置内容を事前に説明し、子どもが主体的に取り組めるようにする。また、子どもの気持ちをよく聞き、子どもの不安な思いに対して寄り添うことが大切である。
3.　A君が頑張ればお母さんが喜ぶ。: 「頑張れ」の声かけは、子どもに精神的負担をかけることになるため避けたほうがよい。
4.　B君の病気を治すためにはA君がドナーになるしかない。: A君以外のドナーからの骨髄提供もありうるため、不適切な表現である。子どもには十分に情報を提供される権利があり、そのことに配慮する必要がある。

白血病は、骨髄のがんであり、造血細胞が分裂する過程で異常増殖が起こり正常な造血機能が障害される疾患である。異常増殖する細胞の種類によってリンパ性、骨髄性に分けられる。子どもでは、急性リンパ性白血病が最も多い。治療には、薬物治療（化学療法）と造血幹細胞移植療法（骨髄移植）がある。子どもが骨髄移植のドナーとなる場合、成長・発達段階に応じてイラストなどを用いて説明し、インフォームド・コンセント（インフォームド・アセント）を得る必要がある。