消化器系（96問）　検査・処置と看護

第102回午後84問

大腸内視鏡検査について正しいのはどれか。2つ選べ。

1.　検査前日の朝から絶食とする。
2.　腸管洗浄液は6時間かけて内服する。
3.　迷走神経反射によって血圧が低下する可能性がある。
4.　検査後に嚥下障害を生じる可能性がある。
5.　検査後に下血の有無を観察する。

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解答・解説

1.　検査前日の朝から絶食とする。: 検査の前日から低残渣食の摂取や食事制限が始まるが、前日の朝から絶食ではない。
2.　腸管洗浄液は6時間かけて内服する。: 腸管洗浄液は2Lを2時間かけて飲むことを目安とする。6時間は時間をかけすぎである。
3.　迷走神経反射によって血圧が低下する可能性がある。: 腸管洗浄液を内服中、または大腸内視鏡を挿入するときなど、腸管内圧変動があると迷走神経反射を起こすことがあり、そのため血圧低下の可能性がある。
4.　検査後に嚥下障害を生じる可能性がある。: 胃内視鏡検査ではないので、咽頭部の麻酔がなく、検査後の嚥下障害は生じない。
5.　検査後に下血の有無を観察する。: 大腸内視鏡検査を行う患者には、もともと下血がありその原因を探るために検査を受ける場合が多いことや、検査中に腸穿孔を起こしたり、出血をすることがあるので、検査後の下血の観察は大切である。

大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入して腸内を観察する検査である。検査前から観察の妨げになる便を排出させておく必要があり、2Lの腸管洗浄液を2時間かけて内服し、排泄される便の色がなくなったら検査をすることができる。前処置をしっかり行わないと検査に支障が出る。腸管洗浄液を内服中に嘔吐、腹痛、腸管穿孔、ショックを起こすこともあるので注意が必要である。また、大腸内視鏡検査中も腸管穿孔や出血などの合併症が起こるおそれがある。