第99回 午後3問

解答・解説

1.　セラチア

セラチア属の細菌は日和見感染・院内感染の原因菌である。尿路感染や体内へのカテーテル類の挿入時の感染などがあるが、食中毒は起こさない。

2.　レジオネラ

レジオネラ属の細菌は発熱（ポンティアック熱）や肺炎の原因となる。空調設備や加湿器の水などに生息していることが多い。食中毒は起こさない。

3.　ヘリコバクター

ヘリコバクター属の細菌は慢性胃炎や胃潰瘍との関連が指摘されている。食中毒は起こさない。

4.　カンピロバクター

カンピロバクター属の細菌は加熱が不十分な鶏肉などから感染して食中毒の原因となる。人間に対して病原性があるのはカンピロバクター・ジェジュニ／コリである。

出題当時、採点対象から除外された問題である。カンピロバクターは令和3年の食中毒件数の21.5％、患者数の6.9％を占める主な食中毒の原因細菌である。なお、件数・患者数の多い原因として、アニサキス、ノロウイルス、ウエルシュ菌などがある。