内部環境（42問）　疾患と看護

第103回午前81問

慢性腎臓病の説明で正しいのはどれか。

1.　糖尿病腎症は含まれない。
2.　病期分類の5期から蛋白制限が必要である。
3.　腎障害を示す所見が1週間持続すれば診断できる。
4.　糸球体濾過量〈GFR〉の低下は診断の必要条件である。
5.　病期の進行とともに心血管疾患のリスクも高くなる。

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解答・解説

1.　糖尿病腎症は含まれない。: 慢性腎臓病には、糖尿病腎症は含まれる。
2.　病期分類の5期から蛋白制限が必要である。: 慢性腎臓病の食事療法では、ステージ3から蛋白制限がある。ステージ1～2でも過剰な蛋白摂取は勧められない。
3.　腎障害を示す所見が1週間持続すれば診断できる。: 慢性腎臓病の定義では、腎障害を示す所見が3か月以上持続する状態である。
4.　糸球体濾過量〈GFR〉の低下は診断の必要条件である。: 腎機能を調べるときに糸球体濾過量（GFR）の値は重要であるが、診断の必要条件ではない。
5.　病期の進行とともに心血管疾患のリスクも高くなる。: 慢性腎臓病は、心血管疾患を併発することが多く、病期の進行とともに心血管疾患のリスクも高くなる。

慢性腎臓病の定義は、次の①②のいずれか、または両方が3か月以上持続する状態とされている。①尿異常、画像診断、血液検査、病理診断で腎障害の存在が明らか、特に0.15g/gCr以上の蛋白尿（30mg/gCr以上のアルブミン尿）の存在が重要、②糸球体濾過量（GFR）　＜　60mL/分/1.73m²。慢性腎臓病では、腎機能の低下が軽度のうちはほとんど症状は出現しないことが多い。また、心筋梗塞などの心血管病を合併する頻度が高く、また無症状のうちに腎機能が低下して、透析や腎移植を必要とする状態に陥ることも少なくない。