精神保健医療福祉の変遷と法や施策（28問）　精神保健福祉法の運用

第112回午前88問

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律〈精神保健福祉法〉に基づく入院形態で正しいのはどれか。2つ選べ。

1.　応急入院は72時間以内に限られている。
2.　緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。
3.　措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。
4.　精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。
5.　医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。

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解答・解説

1.　応急入院は72時間以内に限られている。: 応急入院は、医療および保護のために直ちに入院する必要があり、本人の同意が得られず、身元が不明で家族等の同意が得られない場合の、72時間に限った入院形態である。
2.　緊急措置入院中の患者は本人と家族が希望すれば退院できる。: 緊急措置入院は、「自傷・他害の恐れ」のある精神障害者について急速を要する場合の、72時間に限った入院形態である。その期間内に措置入院に移行させるかどうか決定できない場合には退院となる。
3.　措置入院中の患者は精神医療審査会へ退院請求を申し出ることができる。: 措置入院中の本人、その家族等から退院請求や処遇改善請求があったとき、精神医療審査会が審査をする。
4.　精神保健指定医は任意入院中の患者について入院継続を必要と判断しても、退院を制限できない。: 任意入院は、本人の同意による入院形態であるが、病状によって入院継続を必要とする場合、精神保健指定医により72時間に限った退院制限ができる。
5.　医療保護入院のためには入院の必要性に関する2名の精神保健指定医の一致した判断が必要である。: 医療保護入院は、医療および保護のために入院する必要があり、本人の同意が得られない場合の、家族等（虐待者を除く）の同意による入院であり、指定医1名の診察でよい。なお、同意の要件については、令和6年（2024年）4月以後は家族等が意思表示を行わない場合には、市町村長の同意があれば入院可能となった。